下村、惜しい1差2位!“補欠”から史上初Vならず

[ 2013年7月8日 06:00 ]

笑顔でホールアウトする下村

女子ゴルフツアー 日医工女子オープン最終日

(7月7日 富山市 八尾カントリークラブ=6476ヤード、パー72)
 “補欠”出場から史上初めての優勝を狙った下村真由美(30=フリー)は2位に終わった。ボギーなしの4バーディーで68をマークし、通算12アンダーまで伸ばしたものの、1打届かなかった。69を出したヤング・キム(33=韓国)が通算13アンダーで逃げ切りV。米ツアー1勝の実力者が日本ツアー参戦4年目で初勝利を挙げた。
【最終成績】

 最後の最後に下村が勝ちたい気持ちを表に出した。18番、5メートルのバーディーパット。入れればヤング・キムに追い付く。「ショートだけはしたくなかった。18番の4打目までは、一ショットに対して悔いのないように、という気持ちだけでした」。自身初勝利の願いが込められたボールは、カップ左脇を通り抜けた。1打差の惜敗ながら、「満足しています。最終日に、この位置でプレーできるのは久しぶり」とプロ11年目はすがすがしい表情を見せた。

 雨でスタートが遅れた上、2度の中断。合計3時間37分も進行が遅れた長丁場に選手の一部からは運営に不満の声も上がったが、ゆっくりと過ごせたことで逆に「落ち着けた」という。15番の1・5メートルにつけるバーディーで一時は単独首位にも立った。昨年12月のツアー出場権を懸けた予選会は54位。40位程度までならほとんどの試合に出られるが、下村の場合は主催者推薦頼み。そうでなければ欠場者が出た場合に備えてウエーティングリストに登録し、出場機会を待つことになる。現地に行くことが必要で、今回も経費が無駄になることも覚悟で初日まで待った。史上初の繰り上がりからの優勝はならなかったが、07年アクサ・レディース以来の自己ベスト2位は納得だった。

 2月に30歳を迎え、一時は引退も考えた。「(同学年でツアーから引退した古閑美保さんは)まだまだやれてもったいないと思うけど、うらやましい気持ちもあった。苦しいことの方が多いから」と悩んだ。だが、ゴルフへの情熱は捨てきれなかった。今季は男子の久保谷らを教える山本幸路コーチに師事。素振りを増やしてヘッドスピードアップに取り組み、成果も出ている。もう、進むべき道に迷いはない。「やりたいところまでやろう」。勝利の味を知らないまま終わるつもりはない。

 ▽現地ウエーティング登録 国内女子ツアーでは出場権を持たない選手が、欠場者が出た場合に繰り上がりで出場するために必要な手続き。前年末のツアー出場権を懸けた予選会の順位により、ウエーティングリストの順番が決まる。

 ◆下村 真由美(しもむら・まゆみ)1983年(昭58)2月3日、茨城県牛久市出身の30歳。ジュニア時代にはナショナルチームでも活躍。埼玉栄高を経て03年にプロテスト合格。07、08年に賞金シード獲得。ツアーは07年のアクサ・レディースと今大会の2位が最高。生涯獲得賞金は9847万9942円で賞金ランク161位。1メートル70、65キロ。

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