白鵬 貴超え23度目V!4場所ぶり賜杯奪還に「夢みたい」

[ 2012年11月25日 06:00 ]

<大相撲九州場所14日目>優勝した白鵬は大きな鯛を持ち上げ笑顔を見せる(前列右は宮城野親方)

大相撲九州場所14日目

(11月24日 福岡国際センター)
 白鵬が4場所ぶり23回目の優勝を決め、貴乃花(スポニチ本紙評論家)を抜いて歴代単独5位となった。直前の取組で唯一の3敗だった旭天鵬が敗れて優勝が決定。それを見届けて上がった土俵でも平常心を保ち、鶴竜を左上手投げで豪快に転がして13勝目を挙げた。北の湖理事長(元横綱)はしばらくは白鵬時代が続くと太鼓判を押した。

 優勝決定は出番前の東の控えで見届けた。2差で追っていた旭天鵬が琴奨菊に敗れると、満員御礼の場内は大いに沸いた。だが、白鵬は表情を変えなかった。土俵に上がるとゆっくりと仕切りの所作を繰り返して集中力を高め、しっかり踏み込んで鶴竜を右四つでつかまえると、苦もなく上手投げで下した。「自分の相撲に集中するのが一番。それを表せたかな」。支度部屋へ引き揚げてからようやく頬を緩めた。

 今年春場所以来4場所ぶりの賜杯奪還で、九州場所は07年から6連覇。喜びを表す言葉には実感が込もった。「今までの優勝と全然、違いました。ケガもあったし、苦しい場所もあった。でも、こういう時が来ると信じていました。夢みたい…と言えば大げさかもしれませんが、いいものですね」。取組後には応援に来ていた3人のわが子から祝福の絵手紙を手渡された。優勝を逃し続けたこの半年間も、家族の前では努めて明るく振る舞った。それでも時折、紗代子夫人には“落ち込んでいる”と感じられる瞬間があった。この日は屈託のない最高の笑みを浮かべた。

 賜杯奪還の原動力はライバル・日馬富士の存在だ。「先輩横綱としての責任がある。いい意味で張り合って進化していきたい」。敬愛する大横綱・双葉山が残した言葉で、どんな相手にも無心で戦える境地という意味の「われいまだ木鶏たりえず」を思い出し、地位にふさわしい在り方を自問した。場所前には福岡県篠栗町の宿舎、南蔵院の林覚乗住職(59)を通じて博多人形師の中村信喬氏に木鶏製作を依頼し、心を練る手がかりとした。また、ダンベルなど器具を使って肉体改造にも着手。「上半身にも筋肉がついてバランスがよくなった」と宮城野親方(元幕内・竹葉山)が認める成果を挙げた。

 心身両面を鍛え直しての復活。北の湖理事長は「優勝30回の大台までいける」と絶賛した。競う相手を得た白鵬は再び上昇気流に乗り、さらに飛翔していく。

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