名ばかり技量審査…相撲協会、夏場所“強行”

[ 2011年4月7日 06:00 ]

会見に臨んだ放駒理事長

 日本相撲協会は6日、東京・両国国技館で臨時の理事会を開き、5月8日から15日間の日程で、通常の興行ではない「技量審査場所」を一般に無料開放して行うことを決めた。放駒理事長(元大関・魁傑)は「八百長問題の全容解明、処分、再発防止」の3点セットが不備のために本場所開催を断念したと説明。しかし、成績は公式記録となるなど実態は限りなく本場所に近い形式が採用される。「技量審査」の名を借りて、見切り発車的に強行開催に踏み切った形だ。

 表向きには本場所開催を見送った形となった。5月の夏場所開催について協議したこの日の臨時理事会では、大量21人の力士が処分された八百長問題の影響で取組が減少し、興行として成立しなくなると判断。5月場所を「技量審査場所」とし、一般に無料開放して実施することを決めた。

 八百長問題で3月の春場所が中止に追い込まれた際、放駒理事長は「全容解明、処分、再発防止の3点セットがそろわないと本場所は再開できない」と強調してきた。この日も「携帯メールの解析が終了していないし、それに伴う処分もある。また再発防止策の提言も出ていないことから、5月の本場所は断念せざるを得ない」と説明した。

 相撲協会の寄付行為では本場所について「力士の技量を審査するための相撲競技(本場所と称する)」「本場所は一般に公開し、有料を原則とする」などと定義されている。無料開放とする時点で本場所と定義できないことから、興行色を撤廃し懸賞や賜杯も辞退することを決めた。

 だが、15日間の技量審査の結果は公式記録と認定するという。白鵬が優勝すれば史上最多の7連覇を達成し、魁皇が10勝すれば千代の富士を抜く歴代最多勝記録を樹立することになる。最高成績力士は優勝力士扱いとなり、賞金も支給される。その実態は“本場所”以外のなにものでもない。

 八百長の調査も継続中で再発防止策も打ち出せない状況ながら、「技量審査」の名を借りて、見切り発車的に“本場所”の開催を強行。有料開催も視野に入れ、9日に設定されていた夏場所の前売り開始日よりも前に結論を出したかったという思惑も見え隠れする。放駒理事長は「総合的に見て、1日も早く(場所の実施について)検討しなきゃいけないので」と説明したが、世間の理解を得るのは難しい。再び相撲協会が暴走し始めた。

 【技量審査場所の開催に伴う日程】
 ▽4月26日・新弟子検査▽29日・横綱審議委員会稽古総見(一般公開)▽5月6日・取組編成会議▽7日・土俵祭▽8日・初日▽22日・千秋楽▽25日・番付編成会議▽26日・相撲教習所卒業式、入所式。

 ▼横綱・白鵬 力士として土俵に上がり相撲が取れることは大変うれしく思います。この厳しい現実を真しに受け止め、横綱として精いっぱいの相撲を取り、相撲ファンの皆さまの信頼を一日でも早く取り戻せるように精進します。
 

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