池田が初めて泣いた「いろいろな意味で重い」逃げ切りV

[ 2010年9月19日 17:28 ]

今季2勝目を挙げ、インタビュー中に涙ぐむ池田勇太

 【ANAオープン最終日】マイクを向けられた18番グリーンで池田の声が震えた。「本当にうれしい。勝って泣いたのは初めてじゃないか」。競り合いの末につかんだ通算6勝目は「いろいろな意味で重い」優勝だった。

 子供のころからあこがれた尾崎将司が7勝した大会。テレビで何度も見るうち「(会場の)輪厚で勝たないと、一人前の仲間入りはできないと思っていた」という。長さはないがグリーンが難しいコースを、巧みな小技と正確なパットで攻略した。

 最後まで肝を冷やす展開だった。1打リードで迎えた18番(パー4)は2オンに成功したものの、10メートルの下りパットを残した。追うチョイは2メートルのバーディーチャンスにつけた。「相手は入れてくると思ったから、自分も入れなきゃいけない」。沈めることはできなかったが、何とかカップに寄せた。結果的にチョイは好機を生かすことができず、際どく逃げ切った。優勝の瞬間、目を閉じて天を仰いだ。

 昨季は石川との賞金王争いが注目を浴びた。この優勝で、今季もトップを走る石川との差を約1200万円に詰めた。「一つ勝てたのは大きいが、まだ先は長い。これからが稼ぎ時」。涙が乾くと、いつものぶっきらぼうな口調で、シーズン終盤戦をにらんだ。

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2010年9月19日のニュース