把瑠都 不安の1敗…古傷の左ひざも痛っ!

[ 2010年5月17日 06:00 ]

<夏場所8日目>把瑠都は鶴竜に押し倒しで敗れる

 大相撲夏場所8日目は16日、両国国技館で行われ、新大関の把瑠都が初黒星を喫した。立ち合いから突っ張っていったが、威力がなく鶴竜に左腕を手繰られ押し倒された。疲労の蓄積で古傷の左ひざに痛みが生じており、後半戦に向けて不安を露呈した。白鵬は安美錦を寄り切り8連勝。霜鳳、白馬、猛虎浪がいずれも敗れて2敗となり、1敗は把瑠都1人となった。

【8日目取組結果


 古傷の左ひざをかばうように把瑠都は足を引きずりながら支度部屋まで戻った。「ひざの疲れがたまってきてるから…。土俵に上がったら、おかしかった。前に比べれば問題ないけど」
 対戦相手の鶴竜には先場所、左に変化されていたこともあり「結構、迷ってました。思いっきりいけなかった」と中途半端な立ち合いになった。さらに疲労の蓄積で過去に3度の大けがを負った左ひざに痛みが感じられるようになった。その不安から、突っ張りを見せるも威力がない。「つかまえられればよかった」と悔やんだが、逆に左の突き手を手繰られ大きくバランスを崩しそのまま押し倒されて、背中から土俵下に転げ落ちた。
 「新大関で負け越す人もいるし、勝ち越しを意識した。大関初黒星?うん、そうなんですよ。ノーコメント」。取組後は、いつもより10分以上も支度部屋の風呂に長く入り、入念に洗髪し連勝中に伸ばし続けたひげをきれいにそって気分転換を図った。
 新大関の重圧に加え、古傷の痛みとの闘いとなる後半戦だが、簡単に負けられない理由がある。高校時代に柔道をしていた把瑠都に初めて相撲を教えてくれたエストニア相撲協会のリホ・ランニクマー会長が17日に来日し、両国国技館で大相撲を観戦する予定になっているのだ。
 「なんだか相撲が難しくなったね…。考えますね~。まあ半分終わったから、また半分頑張るよ」。相撲内容と言葉に不安を残した新大関だが、恩師の前でぶざまな姿は見せられない。

 ≪鶴竜「慌てさせた」≫鶴竜が全勝の大関に土をつけ、館内を沸かせた。「慌てさせる相撲を取れば、何かあるんじゃないかと思っていた」。3場所連続負け越し中で、今場所も3勝5敗と不振だっただけに「毎日こういうイメージで相撲を取れるのが一番」と話した。9日目は白鵬戦。勝てば2日連続の全勝ストッパーとなるが、「そういうことを考えたらダメ。きょうみたいに無心で相撲を取りたい」と静かに闘志を燃やした。

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2010年5月17日のニュース