さくら逆転優V!口蹄疫被害農家への募金活動も

[ 2010年5月17日 06:00 ]

<フンドキーンレディース最終日>優勝を飾りスタンドをバックに万歳する横峯さくら

 女子ゴルフツアーフンドーキン・レディース最終日は16日、福岡県朝倉市の福岡センチュリーゴルフ倶楽部(6520ヤード、パー72)で行われ、2位から出た昨季賞金女王の横峯さくら(24=エプソン)が今季初勝利、ツアー通算16勝目を挙げた。4番からの3連続バーディーで単独首位に立ち、6バーディー、2ボギーの68で回り通算9アンダーで逆転優勝。今季獲得賞金は約3861万円となり、賞金ランキングでも首位に浮上した。試合後は自らファンに呼びかけ、家畜感染症の口蹄疫被害に苦しむ宮崎県の農家を支援するための募金活動を行った。

【最終R成績】

 横峯が優勝スピーチで口にしたのは、口蹄疫被害が広がる宮崎県への協力呼び掛けだった。「口蹄疫を知っていますか。私は宮崎の皆さんに笑顔が戻るまで寄付を続けたい」。その後は「深刻さを分かってほしかった」と、寄付を募るための即席サイン会を実施。クラブハウス前で「募金にご協力ください」とあいさつし、ファン約100人にペンを走らせた。中には1万円札を募金箱に入れるファンも2人現れ、約8万円が集まった。

 知人に畜産業者がいる横峯は自宅がある宮崎の状況に心を痛め、2位に入った前週のサロンパスカップの賞金1200万円を全額寄付すると発表。宮崎県のゴルフ場などに募金箱設置を依頼するとともに、今後も賞金の一部を寄付すると表明していた。今季初優勝で獲得した賞金1440万円からの寄付額については「家族に相談してから決めます」と話した。

 地元の人々を支援したいという気持ちでつかんだ今季初Vは横峯らしい逆転劇だった。4番で6メートルに2オンする初バーディーで不動に並び、5番のバーディーで単独首位に。コース上のリーダーズボードが見えづらく、首位を確認したのは17番。通算9アンダーでホールアウトすると、1打差で追っていた最終組の辛ヒョンジュが18番でバーディーパットを外したのを見て笑顔を浮かべた。

 逆転優勝の最大の要因は4月末のサイバーエージェント・レディースから使い始めた新・ゼクシオのドライバー。「右へふけるのが一番嫌。今度のは低い、いい弾道なので安心して振れる」と言うとおり、ティーショットでフェアウエーを外したのは14番だけ。苦手としていたコースで6バーディーを奪う原動力となった。「5、6本作り直してもらった。近いうちに勝てると思っていたので、すぐに結果が出てよかった」と振り返った。
 出場9試合目での今季初Vで、賞金ランクも首位に立った。これまでは「今年は楽しみたい」と話していたが、試合後は「目標を変更します。最低3勝はしたいし、海外メジャーでも優勝争いできるようになりたい」と宣言。行動、プレー、コメントのいずれにも、女王らしい風格が備わってきた。

 ▽口蹄疫 牛、豚、羊などがウイルスによって感染する伝染病。感染力が強く、幼い家畜の致死率も高いために殺処分が取られる。症状は口やひづめの付け根に水泡ができ、破裂してできた傷口の痛みが摂食や歩行を妨げる。その結果、体力低下を招き、家畜を死に至らしめる。人には感染しない。これまでに8万頭を超える牛や豚が殺処分の対象になっており、JA宮崎中央会は被害総額を100億円超としている。

続きを表示

2010年5月17日のニュース