魁皇、動き回って通算993勝目

[ 2010年5月10日 21:49 ]

 【夏場所2日目】雅山の攻めをしのぐため、土俵で動き回ること13秒あまり。魁皇は37歳という年齢を超越する動きで、空席が目立った館内を大歓声に変えた。最後は逆転のはたき込みで勝ち、「きつかったね」と苦笑いを浮かべた。

 微妙なタイミングで物言いがついた。審判の親方衆が協議している間、魁皇は目の前の土俵に何度も両手をつき、呼吸を整えようとした。「負けてもいいから、取り直しはやめてくれと思った。(もう1番は)絶対無理だと思った」と、冗談めかして本音を漏らした。
 土俵生活も23年目。次々と史上1位記録を塗り替え、内閣総理大臣顕彰を受けるほどになった。今場所の注目は史上2人目の通算千勝達成だ。
 通算1045勝の歴代最多記録を持つのは九重審判部長(元横綱千代の富士)。くしくもこの日、審判長として、魁皇の993勝目を館内にマイクで説明した。既に幕内勝利数では魁皇に史上1位記録を抜かれた九重親方は「どんどん破ってもらおうじゃないの。(ハードルは)高くないでしょう」とエールを送る。
 取組後は右ひざ付近へのアイシングが欠かせない魁皇。「2日目なのにけっこう痛みが出ている。でも体が動いていて、ある程度相手も見えている」。近年続いている不安定な状況でも白星を重ね、大台到達まであと7勝となった。

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2010年5月10日のニュース