さくら6億円突破!でも「稼ぎたいより優勝したい」

[ 2010年5月10日 06:00 ]

18番ホール、バーディーパットを決め、声援に応える横峯

 女子ゴルフツアーのワールド・レディース・サロンパスカップ最終日は9日、茨城県つくばみらい市の茨城ゴルフ倶楽部西コース(6655ヤード パー72)で行われ、横峯さくら(24=エプソン)が史上最速&最年少で生涯獲得賞金6億円を突破した。5バーディー、3ボギーの70で回って、逆転優勝こそならなかったものの、通算6アンダーで単独2位を確保。賞金1200万円を獲得して、生涯獲得賞金は6億44万5538円となった。首位からスタートしたモーガン・プレッセル(21=米国)が70で回り、通算9アンダーで日本ツアー初優勝。宮里藍(24=サントリー)は通算イーブンパーの6位だった。

 横峯が6億円を突破するには単独2位に入ることが条件だった。一時は曽ガニに並ばれ、追い抜かれ、優勝どころか2位の座も危うくなった。しかし、最後の最後で底力を発揮した。
 グリーンで苦しみ続けてきた4日間がうそのように、上がり3ホールはパットが決まった。16番で4メートルを沈めて曽ガニに並び返すと、17番でも4メートルを決めて突き放し、18番でも同じ距離をねじ込んでの3連続バーディーで単独2位を死守した。
 24歳147日、167試合目。6億円を突破した11人のうち誰よりも早い記録到達だが、これまでで一番大きな買い物を聞かれて「宮崎の家ですかねえ」と首をひねる横峯には特に感慨もない様子。「通過点でしかないので何と言えばいいのか難しい。もっともっと頑張って、稼ぎたいというよりは優勝したい気持ちが強い」。数字や大きな目標よりも目の前の勝負にこだわる横峯らしい感想だった。
 プレッセルを追いかけた最終日は、1番で3パットのボギーとつまずいた。5メートルの下りのラインを2・5メートルもオーバーさせ、返しのパットも外した。バーディーのプレッセルとはいきなり5打差がつき、みすみす逃げ切りを許す展開になった。プレッセルとはカタコトの英語で談笑し、最後は日本の女王らしい力強さも見せたが「プレッシャーをかけられなかったことは悔しい」と達成感より残念な思いが募った。
 メジャーでの借りを返すには、海外メジャー今季2戦目となる全米女子プロ選手権(6月24~27日、米ニューヨーク州)は格好の舞台。今月31日時点の世界ランクによって出場権獲得がほぼ確実な横峯は「出ます」と明言。「日本では3日に1回ぐらいだけど、海外のメジャーでは何回も勉強させられる場面がある。セッティングの違いですかね」。6億円も、この悔しさも通過点にして、さらに大きな舞台での戦いを見すえた。

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2010年5月10日のニュース