ヤワラちゃん出馬宣言！知名度抜群、集票力は…？

　「ロンドン五輪で金を目指す。国政でも頑張りたい」。２児の母親でもある五輪柔道の金メダリスト谷亮子さん（３４）が１０日、夏の参院選への出馬を宣言した。党勢を立て直したい民主党にとって知名度抜群の谷さんは「心強い」存在。だが識者らの間には「タレント候補の集票力は落ちている」「政治家とアスリートを両立できるのか」と冷ややかな見方もある。

　「ヤワラちゃん」の愛称で知られる谷さんは紺色のスーツ、白いブラウス姿で記者会見の会場に。隣の席には小沢一郎幹事長。「百万、千万の味方を得たような気持ち」と目尻を下げた。
　記者から「田村で金、谷で金、国会議員としても金か」と問われると、「地球を覆うほどの愛で頑張りたい」といつもの「ヤワラ・スマイル」で答えた。
　今夏の参院選には多くの女優やスポーツ選手ら著名人が名乗りを上げている。その中でも「注目度は谷さんがトップ」と見るのは、政治アナリストの伊藤惇夫さん。だが各党が期待するタレント候補の集票力は落ちてきているという。「有権者は（意識が）覚めてきている。『柔道は現役、子育ても』となると、政治家としてどれだけ全力投球できるのだろうか」と疑問を投げ掛けた。
　「出馬は意外ではなかった」と語るのはスポーツジャーナリスト二宮清純さん。２００３年の結婚式で新婦側の招待客だった小沢氏は最後まで宴席に。「中座する政治家が多いのに、親しい間柄なんだと思った」と振り返った。
　だが、五輪代表は「非常に険しい道」と指摘。昨年、国際柔道連盟はランキング制度を導入した。五輪出場には国際大会で勝ち星を重ね、ポイントを稼ぐ必要がある。「母親で国会議員で、国際試合に出るのは非常な激務。年齢に加えハードルは高くなる」とみる。