“孝行息子”内村、観戦の母に贈った逆転3連覇!

[ 2010年5月10日 06:00 ]

男子個人総合決勝の最後の演技を終え、ガッツポーズする逆転優勝の内村

 体操の全日本選手権兼世界選手権代表2次選考会最終日は9日、東京・国立代々木競技場で男女の個人総合決勝が行われ、男子は予選4位の世界王者、内村航平(21=日体大)が逆転で3連覇した。決勝は予選を3点以上上回る92・675点の好演技で、2日間合計182・2点とした。女子は世界選手権銅メダリストの鶴見虹子(17=朝日生命ク)が2日間合計116点で、女子史上最多タイの5連覇とした。男子上位36人、女子上位24人が世界選手権(10月・オランダ)代表最終選考会を兼ねた6月のNHK杯(12、13日・国立代々木競技場)に進出した。

 前日の予選で2度落下した最終種目の鉄棒で、内村は着地までピタリと決めた。予選4位スタートから、この日も2種目目の苦手のあん馬で落下しながら、3種目目以降はほぼノーミスでまとめて逆転勝ち。「しっかり立て直すことができた。疲れもあったけれど、練習通りやることを心がけた」。決勝で得点を落とした他の上位選手たちに、昨年の世界選手権覇者は格の違いを見せつけた。
 試合後、長崎から応援に駆けつけた母・周子さんに、表彰式でもらった花束を手渡した。「(喜びのあまり)バカみたいに叫んでました。見に来てくれてよかったです」。母の日の最高のプレゼントをもらった周子さんは「最近はたまに自炊するようになったみたいだし、親の話を聞くようにもなった。いいご褒美をもらいました」と息子の成長を喜んでいた。

 <虹子、史上3人目の5連覇>鶴見が逃げ切って、57~61年の池田敬子、88~92年の小菅麻里以来3人目となる5連覇を達成。「うれしいのと、ホッとしたのとがある」と笑顔を見せた。平均台でバランスを崩して手をつくミスなどもあり、決勝だけの得点では2位になった笹田に次ぐ2番手。笹田と3位の谷口はともに14歳と若く、17歳のエースは「2人とも跳馬が強い。負けたくないです」と刺激を受けた様子だった。

 <笹田“虹子超え”でユース五輪代表>14歳の女子・笹田が予選6位から2位に食い込んだ。母は80年モスクワ五輪代表(日本はボイコット)で、この大会3度優勝の加納弥生さん。決勝の得点では鶴見を上回り、潜在能力の高さを見せつけた。わずか1枠のユース五輪代表に決定。国際連盟の年齢制限で世界選手権には出場できないが「失敗がなければ、上の方にいけると自信がついた」と目を輝かせた。

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2010年5月10日のニュース