“和製ビッグ3”河野高明氏が死去

[ 2010年4月25日 06:00 ]

 小柄ながらマスターズで活躍し、“リトルコーノ”の愛称で親しまれたプロゴルファーの河野高明(こうの・たかあき)氏が22日午後6時20分、秋田県仙北市の市立角館総合病院で肝臓がんのため死去した。70歳だった。関係者によれば、肝臓がんで体調を崩したのが1年ほど前。今週、療養目的で秋田県の玉川温泉を訪れた際に吐血し、仙北市内の病院に運ばれたが、帰らぬ人となってしまった。

 安田春雄、杉本英世と並んで「和製ビッグ3」と呼ばれた河野氏は日本オープンなど国内外合わせて21勝を誇り、初出場した69年のマスターズでは当時、アジア人最高となる13位と活躍。70年にも12位と健闘し、73年まで5年連続で出場した。1メートル60、60キロの小さな体でフェードボールを自在に操り、5年間で4つのイーグルを奪取。大柄な外国人選手と渡り合う姿は“リトルコーノ”としてマスターズのパトロンに親しまれた。
 03年から08年まで日本プロゴルフ協会の理事を務めたが、05年には協会長選絡みで暴力団関係者に拉致監禁され、前会長らが逮捕される事件に発展した。同協会の松井功会長は「昔、われわれがオーガスタと言うと、(河野氏は)アガスタとよく言い直していました。それでわれわれの間で通称がアガスタってなった。日本プロゴルフ界に輝いた大きな星がまた一つ消えてしまったと残念でなりません」と名ゴルファーの死を悼んだ。

 ◆河野 高明氏(こうの・たかあき)1940年(昭15)1月4日、神奈川県出身。保土ケ谷中を卒業後、父が働いていた程ケ谷CCでキャディーをしながらゴルフの腕を磨き、59年にプロテスト合格。67年に関東オープンで初優勝を飾ると、同年の日本シリーズにも優勝した。国内17勝、海外4勝。マスターズには69年から5年連続出場した。弟の光隆氏(68)もプロゴルファー。1メートル60、60キロ。

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2010年4月25日のニュース