遼くんスコア伸ばせず11位、優勝は藤田

[ 2010年4月25日 13:09 ]

プレーオフを制し喜ぶ藤田寛之

 男子ゴルフツアーのつるやオープン最終日は25日、兵庫県山の原GC(6770ヤード、パー71)で行われ、単独首位から出た藤田寛之が通算14アンダーの199で並んだ谷口徹とのプレーオフを制して優勝、ツアー通算9勝目を挙げた。優勝賞金は1800万円。5打差の3位が河井博大で、前日2位の石川遼は71とスコアを伸ばせず、通算6アンダーの11位に終わった。藤田は67で回り、63をマークした谷口とプレーオフへ。3ホール目でパー4の第3打を寄せきれなかった谷口に対し、藤田がバーディーを奪って決着した。

 自らのバーディーでプレーオフにけりをつけると、普段は冷静な藤田が両手を掲げ、全身で喜びを表現した。相手は実力者の谷口。最終日の猛チャージで追いついてきたかつての賞金王を振り切り「今まで勝ってきた中で一番きつかった」と大きく息をついた。
 18番(パー4)で行われたプレーオフの3ホール目。谷口は3打目をショートし、窮地に立った。藤田は「取りあえず寄せようと思った」と、ピンまで約8メートルのグリーンエッジからパターで転がした。球はするするとカップイン。ライバルも脱帽するしかなかった。
 同組の谷口からの重圧を感じながら回った。「楽しかった。プレッシャーを感じられることを幸せに思いながらやっていた」としみじみ話す。藤田40歳、谷口は42歳。プロの神髄を見せつけるかのような激戦を見事制し、余韻に浸った。
 ベテランと呼ばれる域に入ってもなお、向上心を失わない。所属先のゴルフ場の倉庫にトレーニング機器を導入して鍛錬。クラブ選びにもとにかく神経を使う職人肌だ。「これで9勝目。まだまだ勝てるだけ勝ちたい」。つぶらな瞳に力がこもった。

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2010年4月25日のニュース