角界主役は完全交代か?敵無し白鵬孤独な戦いに

[ 2009年11月29日 19:42 ]

 年間86勝4敗。いまの角界でこの記録を破れそうな力士は当人以外には見当たらない。白鵬は「すごいことをしたなという実感はある」。達成感からか、普段は冷静な横綱の声が弾んだ。

 ことしは2度の全勝を含む3場所で優勝し、そのほかの3場所でも優勝決定戦まで進出。土俵外で話題を振りまく朝青龍とは対照的に、白鵬は常に土俵の中心にいた。この日も右四つから両まわしを引き、豪快な左上手投げで朝青龍を土俵にたたきつけた。「(上手が)取れたから良かったね」。これで本割では6連勝。横綱同士の取組で年6場所全勝するのは史上初で、対戦成績も12勝12敗の五分に。主役は完全に入れ替わった。武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)は「本当に強い。優勝回数を重ねていくんじゃないか」と脱帽した。
 あこがれの双葉山に並ぶ12度目の優勝を自身4度目の全勝で飾り、次の目標を聞かれた白鵬は「平成の大横綱、貴乃花関にも並びたい」。22度の優勝を誇る貴乃花親方は「落ち着いているし、安定感がある」と称賛しながらも「現状を維持することが大事。やらなければいけないという大変さが続く」と頂点に立ち続ける厳しさを口にした。
 白鵬は「今場所のような自分の相撲を取れれば問題ない。一つ一つ積み重ねていきたい」と前を向く。もはや敵無しで、今後は自分自身と向き合う孤独な戦いが始まる。

続きを表示

2009年11月29日のニュース