最年少賞金王決める!遼くん首位タイ浮上

[ 2009年11月29日 06:00 ]

<男子ゴルフカシオワールドOP3日目>石川遼は12番グリーン脇からチップインバーディーを決める

 男子ゴルフツアーのカシオ・ワールドオープン第3日は28日、高知県安芸郡のKochi黒潮カントリークラブ(7300ヤード、パー72)で行われ、賞金ランク首位の石川遼(18=パナソニック)が5バーディー、1ボギーの68で回り、通算14アンダーで首位に浮上、史上最年少賞金王が見えてきた。今大会で優勝し、ランク2位の池田勇太(23=フリー)が単独7位以下なら賞金王が確定するが、池田は通算7アンダーの21位と、最終日を前に“条件”が整ってきた。10年ぶりの日本ツアー勝利を目指す丸山茂樹(40=フリー)と大会連覇を狙う小田孔明(31=同)が石川と首位に並んだ。

 16歳の遼くんではなく、18歳のプロゴルファー・石川遼がそこにいた。アマチュア時代、日本シリーズJTカップで初めて片山と回ったのが2年前。当時は「頭の中が真っ白になった」と74を叩いて崩れたが、この日は74の片山を大きく上回る68をマークして首位に浮上。史上最年少賞金王&年間獲得賞金2億円突破に“王手”をかけた。
 「初日からこの位置を目指して一生懸命頑張った。ここまでよく頑張ったと思うけれど、勝負はあす。もう一回気持ちを切り替えたい」。片山との直接対決の余韻に浸ることなく、最終日を見据えた。
 予選ラウンド2日間とは逆に、山側から強い風が吹き付ける難しいコンディション。フェアウエーキープ率は自己ベストタイだった2日目の92・86%から「普段通り」の57・14%に下がったが、前半で2つスコアを伸ばすなど危なげなかった。12番で初めてパーオンを逃したものの、グリーン奥ラフからの15ヤードを「思い切って振り抜けた」というロブショットで鮮やかなチップインバーディー。「スコアを落とすとすぐに置いていかれる。風が強い中、上出来のゴルフ」と自身に合格点をつけた。
 ほとんどミスがない内容からは想像できないが、26日の夜に風邪をひいて鼻声だ。「毎日平熱だし、体調はばっちり」と本人は言うが、仲田健トレーナーが「呼吸しにくそう」と話すように体調は万全ではない。それでも、最終日最終組で小田孔、丸山と同組となり、新たなモチベーションを得た。子供の頃、「丸山さんのように米ツアーで活躍したいね、とみんなで話していた」あこがれの人の前で賞金王を確定させるチャンス。「(賞金王を決めた)その時に鼻声だったら格好悪いですね」と周囲を笑わせた石川は言った。「18番で優勝の可能性があるところでプレーしたいですね。賞金王は未知の世界。好きなように、がむしゃらにプレーしたい」。無心の一打で、史上初の10代賞金王をつかみとる。

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2009年11月29日のニュース