体操ニッポン受け継ぐ内村 こだわりが生んだ総合王者

[ 2009年10月16日 08:21 ]

体操世界選手権の男子個人総合で優勝し、日の丸を手に喜ぶ内村航平

鳥肌立った!内村圧巻の世界一フィニッシュ!

コーチと二人三脚…気まぐれな天才から“練習の虫”へ

内村“鬼門”のあん馬で首位浮上

かつての王者も喜びの声「日本はすごいぞ」

日の丸振って母も応援…内村「来るなと言ったんですが」

 米英軍のアフガニスタン攻撃の影響を受けて出場を見送った2001年を除き、日本は7大会連続で男子個人総合のメダル獲得を達成した。6種目が必要なオールラウンダーが育つ背景には、世界の流れに逆らい、個人総合を重視する日本のこだわりがある。
 黄金時代の体操ニッポンも数々の「ウルトラC」の新技を開発したが、現在の採点規則の最高はG難度。10点満点も廃止され、技の高度化はより進んだ。そのため、6種目すべてで高度な演技構成を求められ、負担が大きい個人総合より、種目別に重きを置くのが世界的な傾向となった。
 テレビうけする賞金大会のワールドカップ(W杯)も種目別のみ。海外選手の多くが「個人総合も種目別も金メダルの一つにかわりはない」と話す。12年ロンドン五輪の団体総合が1チーム6人から5人になり、その分、種目別でより多くの国・地域が参加できるようになったのもその流れを象徴する。
 しかし、伝統的に団体総合の頂点を目指す日本は、6種目すべてに対応できるような選手育成に励んできた。個人でも、総合のトップこそ体操の王者という考えがある。
 世界を見渡しても種目別の専門家は多いが、万能型の選手は少ない。だからこそ、個人総合王者には大きな意義がある。「6種目で体操。それで1番になることに価値がある」という内村は、まさしく体操ニッポンの遺伝子を受け継ぐ存在なのである。(共同)

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2009年10月16日のニュース