悔し涙が止まらない…織田“低評価”のSP2位

[ 2009年10月16日 22:48 ]

男子SPで気合いの入った表情を見せる織田信成

 フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第1戦フランス杯は16日、パリで開幕し、男子ショートプログラム(SP)の織田信成(関大)はほぼ完ぺきな演技で79・20点をマークし、2位と好発進した。

 昨季の世界選手権で4位だったトマシュ・ベルネル(チェコ)が81・00点で首位に立ち、元世界王者のブライアン・ジュベール(フランス)はジャンプの着氷で乱れ72・15点の6位と出遅れた。
 ペアのSPはアリョーナ・サブチェンコ、ロビン・ゾルコビー組(ドイツ)が72・98点で首位に立ち、井上怜奈、ジョン・ボルドウィン組(米国)は5位。アイスダンス規定はテッサ・バーチュー、スコット・モイヤー組(カナダ)が38・41点でトップに立った。
 女子SPには浅田真央(中京大)とキム・ヨナ(韓国)、中野友加里(プリンスホテル)らが出場する。

 ≪ショック…ショック…≫緊張の五輪シーズン初戦。SPの仕上がりを「60パーセントくらい」と不安視していた織田が79・20点で2位発進した。ところが、演技直後の安堵の笑みから一変し、報道陣の前に現れた22歳は悔し涙を流し続けた。
 理由は、課題として懸命に取り組んできた表現面で予想外に低い評価を受けたこと。5項目の得点で「最低でも7点台が欲しかった」というが、6点台もあった。「自己満足に終わっているというのが分かった」と肩を落とし、「ショック」という言葉を繰り返した。
 トリプルアクセル、連続と単発の3回転と冒頭から立て続けに跳んだジャンプは余裕を持って成功させた。後半に場内の照明が突然切り替わるハプニングがあったが「気付かなかった」と動揺せずに滑りきった。スピンで得点の取りこぼしが一つあったが、大きなミスが許されないSPで、首位と1・80点差の2位。17日のフリーでの逆転は十分に可能だ。
 GPシリーズ(ファイナルは除く)は出場した全5戦で表彰台に上がっている。五輪代表の切符が懸かる12月のファイナルに進出するためにも、気持ちを切り替え、フリーは4回転ジャンプに挑む。
(共同)

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2009年10月16日のニュース