鶴見 入賞どころか日本人43年ぶりメダル行ける!

[ 2009年10月16日 06:00 ]

<女子予選>鶴見虹子の跳馬

 世界体操選手権第2日は14日、ロンドンのO2アリーナで行われ、女子個人総合予選で鶴見虹子=つるみ・こうこ=(17=朝日生命ク)が合計55・925点の7位、上村美揮(23=朝日生命ク)が53・325点の21位で、上位24人による16日の決勝に進んだ。レベッカ・ブロス(16=米国)が57・400点で首位通過。鶴見は種目別予選の段違い平行棒で14・775点の4位、平均台で14・375点の6位に入り、日本女子として70年リュブリャナ(スロベニア)大会の松久ミユキ以来、39年ぶりの2種目決勝進出者となった。

 鶴見が後半の段違い平行棒と平均台でトップレベルの14点台の演技を連発し、7位で予選を通過した。北京五輪3位の楊伊琳(中国)や同4位のセメノワ(ロシア)を上回り、「今年一番いい出来の演技。自分では満足」と笑みを浮かべた。
 前半の2種目は堅実な演技に徹した。床運動は不安定な前方宙返り1回ひねりの1回ひねりを抜く安全策。跳馬も後方伸身宙返り2回ひねりを1回ひねりに抑え、最低限の13点台を並べた。女子代表の塚原千恵子監督は「ある程度の点数は取らないと駄目なので作戦変更が成功した。五輪の17位を考えたら成長したかな」と教え子に目を細めた。一方で、平均台では演技の出来栄えを反映する10点満点の演技実施点で楊伊琳と並ぶトップの8・875点をマーク。演技の質の高さが、世界の審判員に評価された形だ。
 前回の07年世界選手権の15位、北京五輪の17位から大躍進。16日に行われる決勝は予選の得点を持ち越さないが、跳馬と床運動を普段から練習する構成に戻せば、価値点だけで1・000点増える。70年大会の松久ミユキ以来39年ぶりの8位入賞を目標にする決勝に向け、鶴見は「決勝はきょうよりもいい演技をしたい。1つ1つの着地をしっかりと決めれば減点は少なくできる」と計算したが、予選では3位と0・750点の小差。1メートル40の日本の女子エースには、1966年大会で3位となった池田敬子以来、43年ぶりのメダル獲得の期待もふくらむ。

 ◆鶴見 虹子(つるみ・こうこ)1992年(平4)9月28日、東京都生まれの17歳。藤村女子中―大智学園高2年。5歳で体操を始める。個人総合では全日本選手権で06年から4連覇中。07年世界選手権は15位。08年北京五輪は17位。得意種目は段違い平行棒、苦手種目は跳馬。1メートル40、32キロ。

続きを表示

2009年10月16日のニュース