遼くん大人の選択!刻んで2差10位スタート

[ 2009年10月16日 06:00 ]

15番、バンカーショットを放つ石川遼

 男子ゴルフツアーの第74回日本オープンは15日、埼玉県入間市の武蔵カントリークラブ豊岡コース(7083ヤード、パー72)で開幕。石川遼(18=パナソニック)が2アンダー、70で回り、首位と2打差の10位につけた。プレジデンツ・カップに出場した“世界のRYO”を見ようと、初日としては大会史上最多となる7843人の大ギャラリーが集結。石川は短いパー4ではティーショットをアイアンで刻むなど、ラフの長いコースに対応したゴルフで最年少メジャー初制覇へ好スタートを切った。賞金ランク2位の池田勇太(23=フリー)は2オーバーで45位と出遅れた。

 開幕前に全ホールドライバー宣言をした石川が3番アイアンを手にした。15番パー4は372ヤード。1Wで300ヤード近く飛ばせばSWの距離しか残らないが、石川は安全に刻むことを選択した。
 確実性を重視したはずの一打はフックしてバンカーにつかまったが、「ラフよりはバンカーの方がスピンはかかる」と2打目を9Iでピンまで4メートルにつけた。これを沈め、この日5つ目のバーディーを奪った。
 「今までは“本当にドライバーじゃなくていいのか”と迷ってたし、失敗した時は自分の選択が悪いと思っていた。最近は根拠を持って刻めている。自分の選択に自信があれば後悔はしない」
 石川の言う今回の「根拠」はピン位置だった。手前から9ヤードのピンに対し、ラフからではスピンがかからずにボールを止めにくい。普段以上にラフの長い日本オープンのコースだからこそ、ティーグラウンドに立った時点でピン位置を確認し、グリーンから逆算したコース戦略を立てた。
 6番パー5でもティーショットをラフに入れると2オンを断念。確実にフェアウエーに刻んでバーディーにつなげた。「100~130ヤードの距離感が身についてきて、刻んでもバーディーが取れるようになってきた」。1Wを身上とする大胆さを保ちつつも、今季は海外などさまざまな試合で経験を重ね、ゴルフの幅が広がってきた。
 前週は米サンフランシスコで行われたプレジデンツ・カップに世界選抜の一員として出場し、13日に帰国したばかり。それでも時差調整を意識し、その日のうちに1時間のランニングで汗を流した。マスターズなど長距離移動を必要とする欧米での試合出場後では過去最高の10位発進。「メジャーへの思いは出場するたびに強くなってる。いいスタートを切れて第一関門は突破できた」。今季7度目のトップ10発進から、今週も主役の座に躍り出そうな気配が漂っている。

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2009年10月16日のニュース