内村“鬼門”のあん馬で首位浮上

[ 2009年10月16日 09:42 ]

男子個人総合決勝 優勝した内村航平のあん馬

鳥肌立った!内村圧巻の世界一フィニッシュ!

体操ニッポン受け継ぐ内村 こだわりが生んだ総合王者

コーチと二人三脚…気まぐれな天才から“練習の虫”へ

かつての王者も喜びの声「日本はすごいぞ」

日の丸振って母も応援…内村「来るなと言ったんですが」

 北京五輪で2度落下したあん馬をミスなしで終えると、内村が右手でガッツポーズを見せた。「練習の成果が出た」。銀メダルの北京で一度は23位まで転落した鬼門の2種目目で、今回はトップに浮上。あとは一人旅で、「体操ニッポン」最年少の個人総合優勝に突き進んだ。
 得意の床運動を含め4種目で最高点をマーク。平行棒で離れ技の直後にミスが出たが、予選に続き、決勝もただ1人90点を超える圧勝でまさしく総合力を発揮。「満足いく演技じゃなかったけど、粘り強くできたことがいい結果につながった」と胸を張った。
 五輪、世界選手権3連覇の楊威が引退し、中国からは今回、個人総合のエントリーがなかった。欧州王者のハンブッヘンも直前のけがで欠場。「金メダルが取れるチャンスと思った」(内村)だけではない。優勝は半ば義務でもあった。
 五輪の後、あん馬を得意としていた畠田コーチの下で、苦手種目を徹底的に鍛えてきた。演技の後半、疲れから左手の押しが弱くなる欠点を克服。すぐ腰が引け、見栄えの悪かった旋回も修正し、馬上に美しい円を描いて見せた。
 4年前の世界王者、冨田が昨年限りで引退し、初めてエースとして迎えた舞台で表彰台の中央に。「世界で一番高い台に自分が立っていいのかなと思ったけど、世界で一番うまいということはうれしい」。金メダルを胸に、世界一のオールラウンダーは誇らしげだった。(共同)

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2009年10月16日のニュース