フェデラー、記憶に残る戦い刻む

[ 2009年7月6日 10:35 ]

 【ウィンブルドン選手権】最後はロディックのラケットが正面の球を大きくはじき、熱戦に終止符が打たれた。日が傾きかけたセンターコートで、フェデラーが子どものように跳びはねた。記録だけでなく、記憶にも残る戦いがまた一つウィンブルドンに刻まれた。

 最終セットだけで30ゲーム、1時間35分を要した。1試合77ゲームは決勝史上最多で昨年のフェデラーとナダル(スペイン)の死闘に匹敵する戦いだった。「ブレークができなくて難しい試合だったから、ことしの方が満足度は大きい」とフェデラーも喜びに浸った。
 フェデラーは相手のお株を奪うようにサービスエースを50本も決めた。ロディックもラインぎりぎりに好ショットを何本も入れた。フェデラーが唯一、ブレークできたのが最後の第30ゲームだったように、勝者と敗者の差は紙一重だった。
 四大大会の優勝回数で並んでいたサンプラスの目の前で金色の優勝杯を掲げ、「僕にとって最も意味のあるこのウィンブルドンで記録を破ることができて本当にうれしい」と語った。8月で28歳になるフェデラーの時代はもうしばらく続きそうだ。(共同)

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2009年7月6日のニュース