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高知 経営苦しい時期乗り越えJ3昇格 バイトしながらプレーする選手も「プロの選手より、熱い情熱を」

[ 2024年12月8日 04:00 ]

J3・JFL入れ替え戦   高知2-0(2戦合計3-1)YS横浜 ( 2024年12月7日    ニッパツ )

<J3・JFL入れ替え戦  第2戦 YS横浜・高知ユナイテッド>胴上げされる高知ユナイテッド・吉本岳史監督(撮影・西海健太郎)
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 初開催となったJ3・JFL入れ替え戦は第2戦が行われ、JFL(日本フットボールリーグ)2位の高知ユナイテッドがJ3で19位のYS横浜を2―0で下し、2戦合計3―1で初のJ3昇格を決めた。前半7分にFW新谷聖基(26)が先制ゴール、試合終了間際にカウンターからFW内田優晟(20)が勝利を決定づける一撃を決めた。14年からJ3で戦いを続けてきたYS横浜は来季、JFLに降格する。

 高知県勢初のJリーグ参入を決めた瞬間、歓喜に包まれた。22年から指揮を執る吉本岳史監督は「しびれる試合をものにした。これまで苦しい思いをしてきた選手たちやみんなが泣くので僕は泣けなかった」。歴史的勝利を笑顔で振り返った。

 試合は序盤から動いた。前半7分に主将を務める小林大のクロスに反応した新谷が豪快なヘディング弾。貴重な先制点をもたらし、先発起用に応えた。吉本監督も「彼の良さであるクロスからのシュートを期待して送り出したので、その通りの結果に結びついて良かった」と満足げだった。試合終了間際には内田が追加点を奪い、勝利を決定づけた。

 発足9年目で、四国で唯一Jクラブのなかった高知県から42都道府県目のJクラブ誕生となった。Jリーグ入りを目指して16年に社会人クラブチームの高知UトラスターFCとアイゴッソ高知が統合。地域リーグから19年にJFL昇格を決め、20年から14位、13位、11位、7位と着実に前進してきた。今季は開幕7連勝でスタートダッシュに成功。4連敗などもあったが、2位で終えていた。

 発足当時から在籍している35歳のMF横竹は「地方のクラブなので経営面は厳しい状況が続いた。その中でどう上がっていくのかが苦労した」と振り返る。選手に払う報酬が遅れることもあった。建設機械メーカーで掃除や芝刈りのアルバイトをしながらプレーする選手もいる。「プロの選手より、熱い情熱を持ってサッカーを続けているという思いはあった」と力を込めた。

 来季からJ3での戦いに臨む。吉本監督は「高知県は野球文化といわれているが、新しい歴史になったと思う。最強ではないが、最高のチーム」と胸を張った。高知県の夜が明け、Jの舞台でも“維新”を成し遂げる。 (中村 和也)

 ▽高知ユナイテッド 四国で唯一、Jクラブがなかった高知県に初のJリーグ加盟クラブを誕生させることを目的に16年に高知UトラスターFCとアイゴッソ高知を統合して発足。20年からJFLに参入し、今季が5季目。ホームタウンは高知市を中心とした全県。エンブレムにはカツオ、黒潮の荒波、土佐闘犬の化粧まわし、よさこい祭りの鳴子板など同県のイメージが描かれている。クラブカラーは赤、緑。

 ≪42都道府県目≫高知ユナイテッドがJ昇格を決め、四国4県全てにJクラブがそろった。これでJクラブ経験のある都道府県は42。Jクラブ不在県は福井、三重、滋賀、和歌山、島根の5県となった。

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