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【サッカー日本代表・追球】ポストプレーヤーは必要か――データが示したFW陣のプレー傾向

[ 2022年6月15日 22:00 ]

キリン杯決勝   日本代表0―3チュニジア代表 ( 2022年6月14日    パナスタ )

FW陣のレ奇人中央での90分あたりのパス本数グラフ
Photo By スポニチ

 日本代表は14日のキリン杯決勝でチュニジア代表に0―3で敗れ、6月の4試合を2勝2敗で終えた。森保一監督(53)はW杯本大会を見据え、さまざまなテストを実施。W杯最終予選で先発を担った大迫勇也(32=神戸)が不在だった3トップの中央では浅野拓磨(27=ボーフム)ら4選手を試した。果たしてポストプレーヤーは必要なのか。そして大迫勇は必要か。「サッカー追球」で検証する。

 チュニジア戦から一夜明けた15日、森保監督はポストプレーヤーの必要性を問われ「ポストプレーヤーは必要。真ん中で(ボールを)収める選手がいると、チーム全体が前向きで攻撃できるので非常に大切な存在」と強調した。

 日本最大の武器はサイド攻撃だ。チュニジア戦でもチャンスのほとんどは右の伊東、左の三笘の突破から生まれた。その強みを生かすために、ポストプレーヤーがくさびのパスを受けて、相手守備陣を中央に引き寄せる戦術が有効となる。

 また、6月4試合ではビルドアップ中にボールロストする課題が浮き彫りになった。縦パスを受けた選手がつぶされ、ボールを失い、カウンターを食らう場面が何度もあった。リスク管理の観点からも、ボールを収められるポストプレーヤーの存在は欠かせない。

 この4試合では4人が3トップの中央で起用された。ポストプレーヤータイプの上田を除き、浅野、古橋、前田はDFの背後を突くスピードタイプ。森保監督は「上田はガーナ戦で何度か起点になりいい形をつくった。(古橋)享梧も(浅野)拓磨も(前田)大然も起点にもなれるところは見せてくれた」と一様に評価したが、データには各自のプレーの傾向が表れている。

 ペナルティーエリアを除く敵陣中央の区域で、後方からのパスを受けた回数(90分換算)は浅野が7・7、前田が5・8、上田が4・5、古橋が1・7。同じ区域から出したパスの本数は前田の4・6が最多、浅野が4・3で続いた。

 ただW杯最終予選8試合の大迫勇は、同じ区域で後方からのパスを受けた回数が11・5、同じ区域から出したパスの本数も9・9といずれも4人を大きく上回り、いかにビルドアップに関与したかが分かる。相手レベルが違うため単純比較はできないが、やはり日本代表に必要なポストプレーヤーと言える。

 ドイツ、コスタリカ、スペインはいずれも世界的GKを軸に強固な守備力を誇る。高く厚い壁を破るため、森保監督がどのFWを選ぶのか。決断は戦い方に大きな影響を及ぼすことになる。
(福永 稔彦)

(データ提供・データスタジアム)

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