×

【記者の目】二転三転した乾騒動 “居場所がない”と考えたか 8番の結末としてはあまりにも寂しい

[ 2022年6月10日 05:31 ]

C大阪が乾との契約解除を発表

今季からC大阪の伝統の背番号8を背負う乾だったが…
Photo By スポニチ

 二転三転した結果、乾騒動は契約解除で決着を見た。乾に対して公式戦6試合の謹慎処分を下したクラブは当初、今夏の放出も辞さない構えを見せていた。翻ったのはメインスポンサーの意向。ヤンマーアンバサダーを務める乾の放出を、ヤンマー側は容認しないスタンスを取った。歩調を合わせ、クラブ側も無償放出はしない方針を固めた。

 処分明け後、森島社長をはじめフロント側は乾と何度も話し合いを重ね、練習合流を促した。ただ「和解」を強調していた森島社長の思いとは違い、乾の態度は硬直したまま。合流を固辞し続けた。不在後は15試合でわずか3敗。チームが好調だったこと、自身が不在でも結束力が固かったことなどが復帰へ二の足を踏ませたとみられる。乾自身が“居場所がない”と考えても仕方がなかった。

 双方の溝は最初から最後まで埋めきれず。来年の契約満了まで“塩漬け”もやむなしとしていたクラブだが、契約解除金、年俸面を含めた話し合いで乾側が譲歩したことで急転。最終的にヤンマー会長の了承を取り付けたのは、前日8日だったという。

 乾は海外移籍後も毎年、クラブハウスを訪れ、練習に参加。昨夏10年ぶりに復帰を果たして、今季からはクラブのシンボルナンバーである8番を直訴して背負った。その結末としては、あまりにも寂しい。 (サッカー担当・飯間 健)

続きを表示

2022年6月10日のニュース