×

C大阪契約解除の乾に、神戸など複数Jクラブが熱視線! 高額移籍金なしで今夏にも再出発か

[ 2022年6月10日 05:33 ]

C大阪と契約解除となった乾
Photo By スポニチ

 C大阪は9日、元日本代表MF乾貴士(34)との契約解除を発表した。規律を乱す行為などを理由に6試合の出場停止処分となった後、復帰に向けた話し合いを続けてきたが、再合流は実現しないまま、8番を背負っていた“ミスター・セレッソ”は去ることに。フリーとなる乾にはすでに神戸など複数のJクラブが興味を示しており、今夏にも新天地で再出発することになりそうだ。

 この日午前、急きょクラブから乾の契約解除に関するリリースが出された。その直後に行われたオンライン会見で森島寛晃社長は「(処分などで)時間が空いたこともあり、本人もすぐに戻るという判断ができなかった部分もあったと思う。何とか合流をと話してきたが、最終的に合意できなかった」と説明。乾も騒動について謝罪した上で、「一度セレッソとの関係をリセットすることがお互いにとっての良い選択という結論になりました」とコメントを出した。

 事の発端は4月5日柏戦。途中交代の際、サポーターの目の前で小菊監督との握手を拒否し、スタッフに暴言を吐いた。試合後の行動にも問題があったとされ、クラブ独自の処分として公式戦6試合を出場停止に。5月14日名古屋戦をもって解けたが、練習合流はせず。処分期間中にコンディションを崩したこともあり、チームと時間や場所をずらして調整していた。森島社長は「やったことに関しての和解はした」と強調したものの、チーム合流については最後まで合意できなかった。

 複数の関係者によると神戸をはじめJ複数クラブが興味を示しているもよう。今後はJ2クラブの練習に参加して調整する方針で、コンディションを上げながら正式オファーを待つことになる。森島社長もJリーグ内での移籍に関し「それは問題ないというふうに思っている。今後まだまだ活躍してくれることを楽しみにしている」と容認の構え。契約解除となったことで、ネックだった高額な移籍金がかからないのも大きい。

 Jリーグの今夏選手登録期間は7月15日から。「大好きなサッカーを続けていくために今日の結論に至った」という日本屈指の技巧派MFが新たな道を模索することになる。

 【これまでの乾の経過】
 ▽4月5日 柏戦の後半途中に交代を命じられた際、乾がサポーターの前でスタッフに暴言を吐くなど不満の態度を示す。
 ▽10日 C大阪は乾に6日から当面の謹慎処分を科したことを発表。同日の神戸戦はメンバー外。
 ▽13日 森島社長が「重く受け止めて、判断したい」と問題に初めて言及。同日のルヴァン杯・鹿島戦はメンバー外。
 ▽14日 C大阪が最終処分を発表。チームの規律・秩序を乱す行動が確認されたとし、17日の福岡戦から5月14日の名古屋戦までの公式戦6試合を出場停止処分に。
 ▽5月14日 名古屋戦をもって処分解除。
 ▽17日 C大阪は、乾がコンディションの問題で全体練習に参加していないことを明かす。
 ▽28日 森島社長が「復帰に向けていいタイミングを話している状況」と説明。
 ▽6月9日 契約解除を発表。 

 ◇乾 貴士(いぬい・たかし)1988年(昭63)6月2日生まれ、滋賀県出身の34歳。野洲高2年時に全国選手権優勝。07年に横浜入り。08年6月からC大阪へ期限付き移籍し09年完全移籍。11年ドイツ2部ボーフム、12年同1部Eフランクフルト移籍を経て、15~21年にエイバル、ベティス、アラベスでスペイン1部日本人最多の166試合16得点。21年8月、10年ぶりにC大阪に復帰した。日本代表で18年W杯に出場するなど国際Aマッチ通算36試合6得点。1メートル69、63キロ。利き足は右。

続きを表示

2022年6月10日のニュース