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【歴代担当記者が見たオシムさん】今も色あせることのない“シンプル”な「語録」

[ 2022年5月3日 05:30 ]

イビチャ・オシム氏を悼む

03年、両手を広げて選手を指導するオシム監督
Photo By スポニチ

 「あの監督は絶対背中にも目がある!」

 03年、シーズン前の韓国合宿を終えて帰国したジェフ市原の選手が本気でおびえていたのを思い出す。

 監督就任後、初めて会った韓国でとにかく厳しい練習を課せられていた選手たち。監督は見ていないだろうと少し気を緩めると、それが全てオシム監督にはお見通しだった。「休みがない」と選手がこぼせば「練習が終わってから次の練習までに24時間空いていれば1日休んだことだ」とニヤリと笑った。

 大学で数学や物理を学んだ指揮官から出てくる「オシム語録」はとてもシンプル。でも言葉の裏にある奥深いものを読み解くために、とにかく必死でメモを取り続けたのを覚えている。その昔の取材ノートを引っ張り出して読んでいる。「サッカーは生き物だ。いつも変化している。だから見逃してはいけない」。とても書ききれないが、言葉の数々は今も色あせることはない。どうか、天国でもたくさんの試合を見てください。日本に来てくださってありがとうございました。(元スポニチ・02~03年市原担当・須田 珠未)

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2022年5月3日のニュース