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元帝京監督の古沼貞雄氏 小嶺さんをしのぶ「一時代を築いた人物」

[ 2022年1月8日 05:30 ]

小嶺さん(左)と談笑するた古沼貞雄氏

 長崎・国見高サッカー部を率いて1987年度の初制覇を含め、全国高校選手権を6度制した元監督の小嶺忠敏氏が7日、肝不全のため長崎市内の病院で死去した。76歳。島原商時代からライバルだった元帝京監督の古沼貞雄氏(82)がスポニチ本紙の電話取材に応じ、切磋琢磨した小嶺氏の死を悼んだ。

 昨秋、全国高校選手権の組み合わせが決まった頃、私の教え子の大津・平岡監督から「小嶺先生がやつれて奥さんが車いすを押してきた」と聞いて驚いた。

 小嶺さんは私より5歳ぐらい下で、全国優勝したのも私が先だった。小嶺さんが42歳の厄年のときに島原ではたくさんの人を集めて会をやる風習があり、私も大商大の上田先生と一緒に招かれた。その年末の選手権で帝京と島原商が決勝で引き分けて同率優勝し、ヨーロッパ遠征にも一緒に行った思い出がある。

 四国で行われていたユース代表の合宿に行ったときも、2段ベッドの上に私、下に小嶺さんが寝ていて、本を落としたら「何を読んでいるんだろう」と見たらしい。私が寝静まるとそっと部屋の明かりを消す気配りがあった。それと、私が言ったことをよくメモしていたが、几帳面で貪欲だった。

 私と同様に高校サッカーを愛していた。地方で対戦相手がいなかったが、バスで関西や関東まで来た。全国で他の学校がやらないことをやっていた。そういう人だからこそ島原から全国優勝を果たせたのだと思う。一時代を築いた人物だった。

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2022年1月8日のニュース