×

関東第一がコロナ辞退 選手2人が陽性 ジャイキリで旋風も聖地への帰還幻に…8日高校サッカー準決勝

[ 2022年1月8日 05:30 ]

初めて4強に進出するも準決勝を辞退することとなった関東第一(撮影・西海健太郎)
Photo By スポニチ

 第100回高校サッカー選手権で4強に初めて進出した関東第一(東京B)が、チーム内に新型コロナウイルスの感染者が出た影響で、8日の準決勝を辞退することが7日、発表された。国立競技場で第1試合に対戦予定だった大津(熊本)が決勝に進出する。第2試合の高川学園(山口)と青森山田は予定通り午後2時20分に開始される。

 新型コロナウイルスの猛威が、新国立に帰還した高校生の夢を奪ってしまった。大会の準決勝を前に、4強に勝ち進んだチームを対象に大会前に定められた検査を実施。関東第一の選手2人から陽性反応が認められた。

 大会の感染対策ガイドラインでは「大会中に陽性者が出た場合、そのチームは辞退、または代替出場へ移行することを原則とする」と定められている。正規登録チーム(30人)に代わり、予備登録チーム(14人)での出場も可能だったが、関係者で検討した末に準決勝の辞退という苦渋の決断に至った。

 緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発令された東京都の高校ということもあり、保護者を含めて感染対策を徹底してきた。だからこそ、チームには動揺が走った。小野貴裕監督は「今大会だけでなく、この2年間できる限りの対策を講じてきました。それでも陽性者が出てしまった以上、大会・相手校に迷惑はかけられないと判断しました」とコメント。玉生謙介大会実行委員長も「関東第一高校はこれ以上ない感染対策をしてきたと聞いています。それでもこのような事態になり関東第一高校の関係者の方々のことを思うと胸が痛みます」と胸中をおもんぱかった。

 ミラクルの終焉(しゅうえん)は突然だった。記念すべき第100回大会、しかも新国立競技場で初の開幕戦で勝利すると勢いに乗った。「国立に戻ろう」の合言葉の下、強豪校の尚志(福島)や矢板中央(栃木)を破った。準々決勝では優勝候補の静岡学園を劇的な同点弾のうえにPK戦で撃破。次々にジャイアントキリング(大番狂わせ)を果たし、“聖地”に再びたどり着いたが、新型コロナの猛威によって全国制覇という夢は打ち砕かれた。

 《新型コロナと高校スポーツ》★高校総体 21年8月に北信越で行われた大会では全30競技のうち、24競技で74校が出場辞退となった。

 ★野球 21年8月の全国高校選手権(甲子園)では宮崎商と東北学院(宮城)が選手のコロナ感染により出場を辞退。ともに不戦敗扱いとなった。

 ★バレーボール 21年1月の全日本高校選手権では、男子で連覇を狙う東山(京都)が選手に発熱者が出たため棄権した。

 ★バスケットボール 20年12月の全国高校選手権では集団感染が発生した男子の市船橋(千葉)など、男女計7校が欠場した。

 《一斉検査で判明も課題浮き彫り》今大会はマスクの着用や消毒、動線の管理などの感染対策を実施したが、徹底する難しさが浮き彫りになった。今回の感染は、前回大会は行わなかった一斉検査を定められた通り実施したことにより判明した。

続きを表示

2022年1月8日のニュース