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昌平 土壇場キラリ篠田兄弟弾!兄・大輝「俺たち兄弟でやってやろう」有言実行

[ 2021年1月1日 05:30 ]

第99回全国高校サッカー選手権 1回戦   昌平2―2(PK8―7)高川学園 ( 2020年12月31日    NACK )

<昌平・高川学園>後半終了直前、篠田大(左から2人目)が同点弾(撮影・久冨木 修)
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 首都圏8会場で一斉に開幕して1回戦16試合が行われた。前回8強でJリーグ内定者4人を擁する優勝候補の一角・昌平(埼玉)は0―2の終了間際、弟・翼(1年)、兄・大輝(2年)の篠田兄弟が連続ゴールで同点とし、PK戦の末、高川学園(山口)を下した。関東第一(東京B)はエースFW笠井佳祐(3年)がハットトリックで、山辺(奈良)を破った。2日には前回準優勝の青森山田などが登場し、2回戦が行われる。

 PK戦の9人目、先に蹴った高川学園が外し、昌平の小川が決めてようやく激戦に終止符が打たれた。0―2と初戦敗退の崖っ縁から奇跡の大逆転。歓喜の輪の中心にいたのはそろって途中出場した篠田兄弟だった。

 まずは1年生の弟・翼が後半40分に鹿島入りが内定しているMF須藤のパスを受けてゴール。直後にアディショナルタイムとなり、ラストプレーで見せ場がやってきた。ペナルティーエリア左の直接FK。須藤の正確な右足のキックをニアに走り込んだ2年生の兄・大輝が頭で合わせて同点。PK戦の勝利へと結びつけた。

 「入る前から、この試合でヒーローになるんだと自分にいい聞かせていた。頭が勝手に動いた」と兄の大輝は振り返る。昨年も選手権3回戦の国学院久我山戦で同点ゴールを決めるなど勝負強い。本来は相手CBを引きつける役だったが、「俺のところに飛んでこいと念じたら来た。ほんとに決めちゃったと思った」と笑わせた。

 兄弟そろって公式戦でゴールを決めたのは初めてだ。翼が交代で入ったとき、先に出場していた大輝が「俺たち兄弟でやってやろう」と声を掛けた。「翼が決めたので次は俺が、と思った。本当は俺が2点決めようと思った」と大輝はライバル意識も見せる。中学時代はよくけんかもしたが、最近は「サッカーの話はしないが、一緒に買い物に行ったり、コミュニケーションは取れている」(大輝)と仲はいい。

 次は京都橘と対戦。「いつでも準備している。サッカー王国埼玉を復活させたい」と大輝。Jリーグ内定者4人だけではない層の厚さを見せつけた昌平が、81年度の武南以来埼玉県勢39年ぶりの優勝へ突き進んでいく。

 ▼高川学園MF新山主将 勝てば注目されて、後輩たちにもいい経験になると思った。最後の5分間の守りが…。

 ◆篠田 大輝(しのだ・だいき)2003年(平15)8月14日生まれ、埼玉県吉川市出身の17歳。レジスタFCでサッカーを始め、小6のとき全日本少年大会で全国優勝。浦和レッズの下部組織入りし、高円宮杯3位。ユースに昇格できず、昌平へ進学した。好きな選手はウルグアイ代表スアレス。好きなチームはリバプール。目標はプロ選手。1メートル72、68キロ。50メートル6秒4。足のサイズは27.0。

 ◆篠田 翼(しのだ・つばさ)2005年(平17)3月24日生まれ、埼玉県吉川市出身の15歳。レジスタFCでサッカーを始め、FC・LAVIDAで全国大会8強、関東リーグ2部優勝。好きな選手はベルギー代表E・アザールで「体を使ったドリブルが好きだから」。好きなチームはバルセロナ。目標は全国優勝。1メートル66、67キロ。50メートル走は6秒5。足のサイズは26.5。家族は両親と兄。

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