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森保ジャパン 五輪イヤー初戦黒星…後半痛恨2失点で食野1号も空砲に

[ 2020年1月10日 05:30 ]

U23アジア選手権1次リーグB組   日本1-2サウジアラビア ( 2020年1月9日    タイ・パトゥムタニ )

<日本・サウジアラビア>初戦で敗れたU23日本代表イレブン(撮影・篠原岳夫)
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 日本は1次リーグB組初戦でサウジアラビアに1―2で敗れ、20年初戦は黒星となった。後半3分に先制を許しながら、同11分に今大会唯一の欧州組で、背番号10のMF食野亮太郎(21)が同点弾。国際大会初出場、森保ジャパン3試合目の初ゴールで振り出しに戻したが、後半40分すぎに与えたPKを決められ、東京五輪イヤー初戦は苦い結果となった。

 東京五輪イヤー第1号は、10番だった。0―1で迎えた後半11分。食野は左サイドでMF杉岡からパスを受け、目の前の相手にドリブルで突っかけた。次の瞬間、右へボールを持ち出してペナルティーエリア手前の左から右足を一閃(いっせん)。ボールはDFに当たってゴールネットへ吸い込まれる。「オッシャー!」。会場に響き渡るような雄叫びを上げ、左手にキスをした。

 「プレッシャーを感じていた。決められて良かった。角度はなかったが、とりあえず打ってみたら入った。あれが自分の特長なのでこれからも続けていきたい。ただ、勝利につながるゴールを決めないと意味はない」

 国際大会初参加となる唯一の欧州組は、1次リーグ3試合以降の参加は未定となっている。「参加できる期間でチームが勝ち進んでいけるように、ゴールやアシストで貢献できたら」。短期間での結果を希求するMFは、5日の練習試合でタイ1部クラブから五輪イヤー“1号”を奪取。しかし、「(本番は)ここじゃない」と硬い表情を一切崩さず、初戦に懸けていた。

 理想とする選手はRマドリードのベルギー代表MFアザール。「僕はずっとアザールが好き。究極を言えば、その選手が戦術になる選手だったりとか、一人で局面を打開できる選手が僕の理想。メッシもそうですけど、試合を決められる選手になりたい」。個の能力が高いサウジアラビアに失点を許した後に、試合を振り出しに戻す一発。内外に存在感を示した。

 五輪開催年の初戦の国際試合で初得点を奪った選手は、00年の中村俊輔や16年の南野拓実など、96年以降の大会で6人中5人がその年の五輪メンバーに選出されてきた。シャドーの位置は久保、堂安、三好らのいる最激戦区。U―23森保ジャパン3試合目の新鋭の一発が、敗戦の中で唯一の光明だった。

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