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神戸 新国立こけら落としで初戴冠!イニエスタ「成長していくための第一歩になれば」

[ 2020年1月2日 05:30 ]

天皇杯決勝   神戸2―0鹿島 ( 2020年1月1日    国立 )

天皇杯杯初制覇に喜びを爆発させる神戸イレブン(撮影・大塚 徹)                                                                                                                                        
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 東京・国立競技場のこけら落としとなった天皇杯決勝で、神戸が2―0で鹿島に勝利し、クラブ史上初のタイトルを獲得した。前半18分にオウンゴールで先制し、同38分にはFW藤本憲明(30)が追加点をマーク。主将を務めた元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(35)も司令塔として初戴冠に貢献した。JリーグNo・1の巨大戦力を誇るクラブが、初めて来季のACL出場権を獲得した。

 ついに神戸が頂点に立った。新国立で行われた決勝戦で、鹿島に2―0で完勝。優勝カップを掲げた主将のイニエスタは歓喜の思いを口にした。

 「良いときも悪いときもあったけど、タイトルを手に入れられたことはクラブが成長していく上での分岐点になる。今後、成長していくための第一歩になってくれれば」

 クラブ史上初めてつかんだ栄冠。カップ戦の決勝戦に進出するのも初めてだったが、常勝軍団相手でも気負いはなかった。3―4―3布陣を形成し、5万7597人が詰めかけた新国立で攻守にアグレッシブな戦いを展開。元日本代表MF山口とダブルボランチを組んだイニエスタは、前半10分には素早いリスタートから決定機を演出すると、その後も司令塔として攻撃をリードした。後半に入って足を痛めたものの、ピッチに立ち続けることをフィンク監督に志願。後半43分に途中交代するまで必死にプレーした。

 「この勝利はクラブ、サポーター、神戸の街にとっても凄く重要なものになった」

 ヴィッセル神戸が誕生し、初めてJFLを戦ったのが25年前の95年。その始動日だった1月17日に阪神・淡路大震災が発生した。その後もメーンスポンサーであるダイエーの撤退などもあり経営に苦しみながら、04年1月に楽天の三木谷浩史社長が代表を務める「クリムゾンフットボールクラブ」に営業権が譲渡され、14年12月に楽天が運営会社の株式を全て取得した。

 18年の開幕前にはアジアNo・1クラブを目指し「バルセロナ化」を掲げ、次々と大物選手を獲得した。その象徴が推定年俸32億5000万円のイニエスタであり、ビジャだった。この日のスタメンで最古参は、17年夏に加入したポドルスキ。11人中8人もが今季から加わった選手たちだった。

 大胆な血の入れ替えも敢行し、ようやくつかんだタイトル。この天皇杯優勝により、ACL出場権をつかんだ。アジアNo・1クラブを目指す神戸にとって、重要な戦いが待ち受ける。来季も指揮を執るフィンク監督は「また次の目標ができた」と言い、三木谷会長も言葉に力を込めた。

 「世界レベルの選手を集めて、単純に強いだけじゃなく、お客さんを魅了するスタイリッシュなフットボールを目指してきた。今度はアジアチャンピオンを目指してクラブ一丸となって頑張っていきたい」

 開示されている18年度のチーム人件費は、リーグでダントツの44億7700万円。圧倒的な資金力を生かし、神戸がアジアをも制圧する。

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