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鹿島V逸 大岩監督ラストゲーム飾れず号泣

[ 2020年1月2日 05:30 ]

天皇杯決勝   鹿島0―2神戸 ( 2020年1月1日    国立 )

神戸に敗れ肩を落とす鹿島イレブン(撮影・西海健太郎)
Photo By スポニチ

 鹿島が天皇杯神戸に0―2で敗れ、20冠目の国内主要タイトルを逃した。この試合を持って退任する大岩剛監督(47)体制で初の国内タイトルを目指したが、勝利の遠い内容となった。

 最後のロッカールームで、大岩監督は選手に伝えた。「最後までしっかり戦ってくれたことを評価していて、感謝している」。会見場に現れた時も、目は真っ赤に腫れていた。大岩体制が、鹿島の一時代が、20年の元日に幕を閉じた。

 前半の2失点とも、ゴール前での普段ならしないミスから。勝負どころに強かったはずの鹿島には、につかしくない光景だった。「大舞台で自分たちのプレーを出せなかったことが、一番未熟なところ」とMF三竿。後半はDF山本投入とともに伝統の4バックを3バックにして攻勢を強めたが、遅かった。

 17年5月にコーチから昇格した大岩監督は、ふと目にした一方的な情報から判断がぶれることを嫌い、携帯でニュースサイトを開くのをやめるほど徹底して現場で選手に向き合った。FW土居は「一人一人に妥協しない。家族や兄弟のように接してくれるところが今までの監督より人一倍いいところ」と言う。

 夏に3人が欧州移籍し、数年間の過密日程の蓄積疲労でケガ人が続出し続けた今季。それでもJリーグ、ルヴァン杯、天皇杯で全て4位以内の成績を収めたのは、頻繁に口にする「即興性」を大切に、選手と密なコミュニケーションを取ってマネジメントしてきた指揮官の功績もあった。

 三竿は大岩監督の就任とともに出場機会を伸ばした一人。「鹿島に入ってからずっとコーチとしてメンバー外の練習を見てくれていた。守備の足の出し方も1対1の駆け引きも、剛さんや羽田コーチからにたくさん教わった。ほんとに感謝しかない」と話した。

 昨季で引退した小笠原氏にかわり、欠かせない主軸に成長した三竿。試合後には、大岩監督から「来年はもっと大変になる。お前が中心になって引っぱっていけ」と鹿島の未来を託されたという。「これからもっともっと自分がレベルアップして、チームがタイトルを獲れるように影響力のある選手にならなきゃいけない」。言葉を詰まらせながら、誓った。

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2020年1月2日のニュース