×

持ってる藤本 オウンゴール誘発&新国立1号「そういう場所にいることが重要」

[ 2020年1月2日 05:30 ]

天皇杯決勝   神戸2―0鹿島 ( 2020年1月1日    国立 )

<神戸・鹿島>神戸・藤本が先制ゴールを決める (撮影・大塚 徹)                                                                                                                                        
Photo By スポニチ

 成り上がってきた男が大舞台でヒーローになった。前半18分、元ドイツ代表FWポドルスキの放ったシュートをGKが弾くと、目の前にいた神戸のFW藤本がDFと競り合いオウンゴールを誘発。同38分にはMF西のクロスからボールがこぼれ、これを左足ダイレクトで流し込んだ。こけら落としとなった新国立で、初めてゴールを決めた選手となった。

 「“持ってる”と思います。ああいうところに走り込んだり、そういう場所にいることが重要だと思っているので」

 青森山田高、近大を経て12年にJFLで戦う佐川印刷(現SP京都)に加入。そこから移籍などを経てJ3、J2、J1とひとつずつカテゴリーを上げてきた。愛着のあった大分から神戸へ完全移籍で加わったのが今夏。スター軍団の仲間入りを果たした。

 「(移籍の決断は)本当に難しかったけど、このチャンスを逃したら(オファーが)もう来ないかもしれない」。新天地ではケガもあり思うように出場機会は得られなかったが、最も重要な一戦で3トップの中央として先発起用され、その期待にしっかりと応えた。

 「JFLでは200、300人の規模で試合をしていて、今日みたいな5万人を超える観客の前で試合をするのは4年前は夢にも思わなかった。まさか国立で自分が点を取って優勝するとは考えていなかった。自分のキャリアにとっても大きいこと」

 30歳を迎えるシーズンに新たな挑戦を決断し、今季最終戦、そして新たな1年の幕開けとなる天皇杯決勝でインパクトを残した。今度はACLという未知の戦いに挑む。

 「もっともっと結果を出しながら、アジアチャンピオンになれるように準備していきたい」

 ここがゴールではない。藤本の冒険はまだまだ続く。

続きを表示

2020年1月2日のニュース