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なでしこ 岩渕弾から1勝!3度目W杯のエースが窮地救う

[ 2019年6月15日 05:30 ]

女子W杯1次リーグD組   日本2-1スコットランド ( 2019年6月14日    フランス・ニース )

<女子W杯1次リーグD組>スコットランドに勝利し、喜ぶなでしこジャパンイレブン(AP)
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 天才ストライカーがなでしこに今大会初勝利をもたらした。FIFAランキング7位のなでしこジャパンは14日、同20位のスコットランドと対戦し、2―1で勝利した。FW岩渕真奈(26=INAC神戸)が貴重な先制点をマーク。ケガを乗り越えてたどり着いた3度目のW杯で輝きを放った。勝ち点を4に伸ばした日本は19日(日本時間20日)に同3位の強豪イングランドと対戦する。

 両手を広げる背番号8を中心に歓喜の輪が広がった。前半23分。敵陣深くで相手のクリアを拾ったFW遠藤がDFの股を抜くパスを中央に通すと、走り込みながら受けたのは岩渕だった。すぐさまペナルティーエリア外から右足を振り抜く。強烈なシュートはGKの頭上を越えてネットに突き刺さった。

 「とにかく勝つしかなかった。全員の気持ちが乗って、良いシュートが飛んでいった」。W杯は3大会連続出場だが先発は初めて。チーム屈指の技巧派が指揮官の期待に応えてみせた。

 1メートル56と小柄ながら鋭いドリブル突破と強烈なシュートで「マナドーナ」や「リトルマナ」と呼ばれ、早くから将来を嘱望された。今大会でもエースとしての役割を期待される一方で、直前にはケガに悩まされた。元日の皇后杯決勝で左かかとを負傷すると、W杯メンバー発表直前の5月にはリーグ戦で右膝を痛めた。「(日本代表に)選ばれないのかなと思っていた」と焦りが募ったが、高倉監督は岩渕の実績と経験に期待を寄せてメンバーに選出。「ケガしている中でもW杯に連れていってもらえる。必要とされている以上、やらなきゃと思う」。全体練習に合流したのは開幕直前の5日だったが、間に合わせた。

 11年大会は澤穂希、15年大会は宮間あや。なでしこ躍進の裏には必ずチームの窮地を救う大黒柱の存在があった。「3度目だし今大会は自分が、という思いは強い」。小さくても頼れる背中が若いチームの道しるべになる。

 ▼高倉監督 初めから攻撃的に自分たちの良さを出そうと積極的にプレーして、前半に点が取れたのは狙い通りだった。後半は追加点を狙ったが、相手がパワーをかけてきたところをはね返せなかったのは課題。(イングランド戦は)試合の中で流れのコントロールが精神的にもプレーでもできるようになれば。

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