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森保J 初3バック不発…“伝家の宝刀”試すも令和1号お預け△

[ 2019年6月6日 05:30 ]

国際親善試合   日本0-0トリニダード・トバゴ ( 2019年6月5日    豊田ス )

<日本・トリニダード・トバゴ>後半、最終ラインを守る畠中(左)と昌子(撮影・西海健太郎)
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 日本代表は5日、「令和」初陣でトリニダード・トバゴとの親善試合に臨み、スコアレスドローに終わった。森保一監督(50)は就任以来初めて代名詞の3バックを採用。チャンスは量産したものの決定力に欠け、不発に終わった。18歳のMF久保建英はベンチ外となり、国際Aマッチデビューは9日のエルサルバドル戦以降に持ち越しとなった。

 森保監督が「伝家の宝刀」を抜くも、不発に終わった。令和の初陣で就任以来初めて“3バック”の3―4―2―1布陣を採用。新BIG3を解体し、大迫を頂点に中島、堂安を2シャドーに配置した。だが会場を支配したのは大量のため息。アイデア、精度を欠き25本ものシュートが空砲に終わった。ここ3試合で得点は1。決定力不足は深刻だ。

 「ウイングバックは守備のとき、スペースを消せる。攻撃では高い位置で幅を持ち、相手DFを分散させられる」。これが森保流3バックのメリット。実際、長友と酒井は高い位置をキープし、守備では5バック気味に移行した。だが短期間の準備では、ビルドアップの過程、縦パスの精度、「崩し」の形が不十分だった。

 9月にはW杯予選が開幕する。試すには「今」しかなかった。今後も基本は4バックだが「選手が感覚として覚えてくれればオプションとして使える」と指揮官。広島時代、4年間で3度リーグ制覇に導いた十八番を引き出しに入れておきたかった。ハーフタイムにはDF陣に「ビルドアップラインを上げろ」と指示。冨安、畠中が果敢に上がり始めたのはそこからだ。

 この日、注目の18歳久保らをベンチから外した。世間的に言えば空気の読めない采配だが、W杯予選を見据え、あえて“KY”を選択した。実直な指揮官もピッチに立てば勝負師そのもの。1月のアジア杯では1次リーグ初戦で酒井が警告を受けると第2戦では決勝トーナメントを前に警告を消化してしまおうとあえて警告をもらうよう指示したことも。勝つためなら非情にも徹する。この日も強い信念を垣間見せた。

 「決め切る課題は残したが、GKからのビルドアップ、縦に入れるパス、ウイングバックが幅を使う…少しずつ厚みのある攻撃になった。次につながると思う」。消化不良な中にも見え始めた光を信じ、森保監督は「宝刀」に磨きをかけていく。

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