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「おまえはあかんやろ」と…杉本健勇 W杯は夢つないでくれた仲間へ恩返しの舞台

[ 2018年4月25日 11:10 ]

“関西”から世界へ

初のW杯出場に燃えるC大阪・杉本
Photo By スポニチ

 日本からW杯を目指すC大阪のFW杉本健勇(25)は、真っすぐな道に導いてくれた友のためにもメンバーに生き残る。大阪市生野区で生まれ育ち、自身のブログのタイトルを「生野魂」とするほど、地元に対する愛着が強い。「ケンカ番長」と呼ばれることもあった少年時代とは…。

 「ケンカはそんなにしてなかったけど…(笑)。でも体はでかかったし、ケンカを売られることはあった。なんせやんちゃなやつがめっちゃ多かったんで、周りには。それこそケンカはするし、夜遊びはするし。俺は“好きと思えば仲良くする”っていう性格やったんで、一緒に遊んだりすることもあった」

 打ち解け合える友だちを大切にしながら、中学からはC大阪U―15に進み、プロへの階段を上り始めた。その途中、杉本自身が夢を諦めそうになったこともある。

 「細かくは言えないけど、自分が中学で道を外しそうになったときに、そういう友だちたちが“おまえはあかんやろ”と言ってくれた。“おまえがそんなんしたら絶対にあかんやろ”って。今でも凄く覚えている。小学校のときからの友だちやった。“こいつら、ホンマに俺のことを思ってくれてんねんな”って気づいて、そのときに“俺は絶対にプロに行って活躍しよう”と思った」

 その思いがあって本当にプロになり、そして昨年8月に日本代表にも招集された。昔からの友だちも見るであろうW杯に出られるチャンスが今、目の前にある。

 「今でも応援してくれているんで、陰で。自分がW杯に出られれば、応援してくれている人は喜ぶと思うし、それはまた俺もうれしい。頑張りたい」

 オフには欧州からの獲得オファーを断り、C大阪に残留した。前を見すぎることなく、地に足をつけクラブで全力を尽くすことだけを意識している。

 「ベタかもしれないけど、やっぱりチームで結果を残さないと、そこ(W杯)への道は開けない。試合が続く中で、自分のポジションは分かりやすいし、もっともっとゴールを取らないといけない。W杯には絶対に出たいし、出るだけじゃなくて活躍したい。そのイメージが自分の中にはあるんで」

 ◆杉本 健勇(すぎもと・けんゆう)1992年(平4)11月18日生まれ、大阪市生野区出身の25歳。FCルイラモスヴェジットからC大阪U―15に進み、同U―18を経て10年7月に飛び級でトップ昇格。12年3月に東京Vへ期限付き移籍し同年7月に復帰。15年に川崎Fへ完全移籍し、16年に完全移籍で復帰。国際Aマッチ通算6試合出場、1得点。1メートル87、79キロ。利き足は右。

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2018年4月25日のニュース