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元なでしこMF 初戦勝利も「後半に課題も前向きに捉えて」

[ 2015年6月9日 16:20 ]

試合を見守るなでしこジャパンの佐々木監督(AP)

女子W杯カナダ大会1次リーグC組 日本1―0スイス

(6月8日 バンクーバー)
 W杯連覇に向け、1次リーグ初戦のスイス戦で白星スタートを切ったサッカー女子日本代表のなでしこジャパン。かつて代表MFとして2度のW杯に出場し、昨季限りで現役を引退した小林弥生さん(33=日テレ・ベレーザ育成組織アシスタントコーチ)は初戦をどう見たのか。まずは初戦の全体的な印象を聞いた。

 引退するまでの18年間、日テレ・ベレーザひと筋にプレー。3歳上の澤をはじめ今回のW杯メンバーの多くとチームや代表でチームメートとして過ごし、リーグ戦での対戦を含めるとメンバー全員と一緒にプレーした経験を持つ。それだけに思い入れは強く、宮間が先制PKを決めた瞬間は「泣きそうになった」という小林さん。「勝利という結果が出たことが一番良かった。後半は課題も出たが、勝って課題が出たことを前向きに捉えて2戦目、3戦目に取り組んでほしい」と安ど感をにじませつつ、試合を振り返った。

 「前半はすごく良かった。なでしこらしいサッカーで、試合の入りも良く、皆が堂々とプレーしていたのが印象的だった。後半はスイスに勢いが出て、日本は対応に苦しんでバタバタした」という小林さん。

 先制のシーンは、ペナルティーエリアに飛び出した安藤がPKを得て、それを宮間が冷静に決めた。相手GKと接触した安藤は左足首付近を痛めて菅沢との交代を余儀なくされたが、小林さんは「最初は膝を痛めたかと思ったが、足首の上の方に見えた。人の肩を借りないと歩けない状態で心配」と前置きしつつ、「勝ち点3につながるプレーをできたことは、ピッチの去り方としては悪くない」と安藤の積極果敢なプレーを称え、「そこでしっかりPKを決める宮間はさすが。アクシデントで急な出場となった菅沢もスムーズに試合に入れた」と評価した。

 ◆小林 弥生(こばやし・やよい)1981年(昭56)9月18日生まれ、東京都多摩市出身の33歳。ボランチからFWまでこなす万能型選手として日テレ・ベレーザひと筋にプレー。3度の大怪我を乗り越え、2000年に最多得点に輝くなどなでしこリーグ通算223試合に出場し、51得点をマーク。8度のリーグ優勝、7度の全日本女子選手権大会優勝など数多くのタイトル獲得に貢献した。女子日本代表としても1999年、2003年と2度のW杯と04年のアテネ五輪に出場し、国際Aマッチ通算54試合12得点。惜しまれつつ昨季限りで18年間の現役生活に終止符を打った。現在は日テレ・ベレーザの育成組織アシスタントコーチと、日本サッカー協会が主催する「こころのプロジェクト 夢の教室(ユメセン)」でスペシャルスタッフを務める。

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2015年6月9日のニュース