×

“逆境”ドイツ 史上初4大会連続4強!フンメルス千金ヘッド

[ 2014年7月6日 05:30 ]

準決勝進出が決まり喜ぶドイツイレブン(AP)

W杯ブラジル大会準々決勝 ドイツ1―0フランス

(7月4日 リオデジャネイロ)
 病み上がりの男がヒーローになった。欧州対決を制したドイツの主役は、風邪から復帰した1メートル92、90キロのDFフンメルスだ。前半13分、左からMFクロースがファーサイドへ蹴ったFKを側頭部で合わせて先制弾。「いいポジションを取れてラッキー。今大会は全てにうまくいっていて驚いてるよ」と振り返ったが、マーカーのDFバランは1メートル91の長身ながら76キロ。14キロも軽い相手に巨体をぶつけ、ゴール方向へ押し込んだことが値千金の決勝点を生んだ。

 準々決勝を前にチーム内には風邪がまん延し、7、8人が喉の痛みなどを訴えた。最初に倒れたのがフンメルスで、決勝トーナメント1回戦のアルジェリア戦を発熱で欠場。だが、復帰即先発させたレーブ監督に応えるべく、本職の守りでも奮闘した。前半34分、シュートのこぼれ球をFWベンゼマが膝に当てたボールを膝でブロック。42分のヘディングは腹に当てて防ぎ、後半31分の決定的なシュートも右足ではじくなど相手エースの前に立ちはだかった。

 キックオフ時で気温26度、湿度86%。「早い段階からヘトヘト。試合が終わってもいつまでも水が必要だった」と苦笑する条件にも集中力を切らさず、出場4試合続けて警告を受けないプレーで、今大会3度目の完封勝利に貢献した。ドルトムントに所属し、12年まで香川ともプレー。マンチェスターUで出番が減った元同僚の復帰が噂されると「もちろん大歓迎」と話したが、今や自身がマンUやバルセロナから獲得を狙われる存在だ。

 チームはW杯史上初の4大会連続、最多13回目の4強入り。準決勝では02年日韓大会決勝以来となるブラジルとの対戦が決まったが、巨漢センターバックは「9日後、ここ(リオデジャネイロ)に戻ってきたい」と決勝の舞台を見据えた。

 ◆マッツ・フンメルス 1988年12月16日、ドイツ西部のベルギッシュ・グラートバッハ生まれの25歳。95年に6歳でバイエルンMの下部組織に入り、07年にプロデビュー。08年1月にドルトムントにレンタル移籍して定位置をつかみ、翌09年2月に完全移籍した。10年5月のマルタ戦で代表デビュー。代表通算34試合4得点。1メートル92、90キロ。利き足は右。

続きを表示

この記事のフォト

2014年7月6日のニュース