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ダビド・ルイス 魅せた無回転FK!お手本は元Jリーガー

[ 2014年7月6日 05:30 ]

後半、チーム2点目のゴールを決めガッツポーズのダビド・ルイス(AP)

W杯ブラジル大会準々決勝 ブラジル2―1コロンビア

(7月4日 フォルタレザ)
 1メートル89の大型DFが蹴ったとは思えない弾道だった。ブラジル1―0の後半24分、約30メートルのFKを直接決めたのはネイマールではなく、センターバックのダビド・ルイス。強烈なシュートは無回転で揺れながら急速に落下し、ゴール右に突き刺さった。

 「この1年間(所属する)チェルシーでFK練習を行ってきた成果だ」。日本代表MF本田が、10年南アフリカ大会のデンマーク戦で決めた無回転FK弾をほうふつさせるスーパーゴールだったが、蹴り方は全く違う。無回転シュートは一般的に足の甲の部分(インステップ)で押し出すように蹴るが、ダビド・ルイスの蹴った箇所は右足の内側(インサイド)。

 「簡単には蹴れないよ。俺の足は遺伝的に生まれ持ったものなのさ」と冗談めかして笑ったが、実は元Jリーガーがお手本だった。

 秘密を明かしたのは試合後の会見に同席したフェリペ監督。「コリンチャンスにいたマルセリーニョ・カリオカの蹴り方だ。他の人はできない。多くのビデオを見たんだろう」。元ブラジル代表MFマルセリーニョ・カリオカは02年にG大阪でプレー。正確無比なFKを繰り出す右足は“天使の足”の異名を取った。

 ダビド・ルイスは6月にチアゴ・シウバが所属するパリSGに移籍が決まったばかり。英メディアでDF史上最高5000万ポンド(約87億5000万円)と報じられた高額移籍金にふさわしい実力を証明したが、最終ライン中央でコンビを組む主将のチアゴ・シウバも負けていない。前半7分に左CKから先制ゴール。「体と魂。心身をささげて戦って勝利をつかんだ」と強調した。センターバックのアベックゴールで、不発に終わった攻撃陣をカバーしてみせた。

 準決勝ドイツ戦はチアゴ・シウバが累積警告で出場停止となる。ダビド・ルイスは「ネイマールがいなくても、国を背負う責任は分かっている」。主将の穴を埋め、エース離脱に沈むブラジルに勝利の喜びをもたらす。

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2014年7月6日のニュース