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新潟ロペス“身代わり”退席の監督へ恩返し残留弾誓う!

[ 2012年12月1日 06:00 ]

ベンチ入りできない柳下監督のためにもゴールを決めて恩返ししようと意気込むブルーノ・ロペス

 J1リーグは1日に最終節を行い、C大阪、神戸、G大阪、新潟がJ1残留を懸けた一戦に臨む。札幌と対戦する17位新潟は前節仙台戦で退席処分となった柳下正明監督(52)がベンチ入りできないが、チーム最多5得点のエースストライカーのブルーノ・ロペス(26)が指揮官の思いも背負ってピッチに立つ。J2降格は既に札幌が確定しており、4チームのうち16、17位となった2チームの降格が決まる。

【J1順位表】

 最終調整を終えたブルーノ・ロペスは「あす(1日)のゲームにいい状態で臨める準備はできている。ゲームが終わったときに達成感を感じられるようにしたい」と決意を語った。札幌に勝った上で神戸、G大阪がともに引き分け以下にならなければ03年以来10シーズンぶりのJ2行きとなる。ゲームメーカーのミシェウが出場停止と台所事情も苦しいが、困難なミッションに挑む覚悟はできている。

 柳下監督はベンチに入れない。前節仙台戦の後半40分、ブルーノ・ロペスがペナルティーエリア内で背後から突き飛ばされたが、主審はPKを取らなかった。ブルーノ・ロペスは怒った。だが、それ以上に感情を爆発させたのが柳下監督。猛抗議して退席処分となり、1試合のベンチ入り停止処分を科された。

 新潟にとっては痛恨の場面だが、実は指揮官の激怒は演技だった。「(ブルーノ・)ロペスが冷静になるまで時間を稼ぎたかったし、ロペスが最終節に出られなくなったら困るから」と柳下監督。ブルーノ・ロペスが警告を受ければ累積警告で最終戦は出場停止となる。そこで“身代わり”となって審判団の注意を自分に引きつけたのだ。

 この日は1時間弱の軽めの練習で決戦に備えた。指揮官は「選手たちには持っているものを全部出してもらう。やるべきことは(選手に)伝わっている」と選手を信じてピッチに送り出し、代わって指揮を執る栗原克志コーチに託す意向だ。

 ブルーノ・ロペスも柳下監督の思いを知り「最後まで諦めずに戦い抜く気持ちが新たに芽生えた。監督のためにもゴールを決めて恩返しをしたい」と誓った。奇跡の逆転残留を引き寄せる一撃を決めて“身代わり”となった師に恩返しする。

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