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「ウチダ!」世界最高SB認めた!日本人初欧州4強

[ 2011年4月15日 06:00 ]

<シャルケVSインテル・ミラノ>長友(右)をマークする内田

欧州チャンピオンズリーグ準々決勝第2戦 シャルケ2―1インテル・ミラノ

(4月13日)
 欧州チャンピオンズリーグ準々決勝第2戦の残り2試合が13日に行われ、シャルケはホームでインテル・ミラノを2―1で破り、2戦合計7―3で初の4強進出を決めた。日本代表DF内田篤人(23)は右サイドバックでフル出場して、相手DF長友佑都(24)と激しいサイドの攻防を展開。安定したプレーで勝利に貢献して日本人初の4強入りを果たした。準決勝ではマンチェスターUと対戦する。
【欧州CL】

 譲らなかった。日本代表の両翼が序盤から激しくしのぎを削った。前半7分、右サイドでボールを受けた内田がドリブルを開始。クロスを上げると見せかけるフェイントを入れて縦への突破を仕掛けたが、長友にブロックされた。一度はボールを奪われたが、すぐにタックルを浴びせてタッチラインにクリア。試合を通して安定感あるプレーを見せ、マッチアップしたエトオにも決定的な仕事をさせなかった。

 日本人で初めて準決勝に進出。快挙を成し遂げたが「すぐに(日本人で)続く選手が出てくるはず。日本はもっとやれるというところを見せないと」と満足はしていない。6日の第1戦にアウェーで5―2と大勝していたこともあり「状況を頭に入れてプレーした。後ろは無茶はせずに、しっかりボールをつないでという感じ。高校生でもやる普通のことをやっただけ」と言ってのけた。

 欧州での知名度は確実に上がっている。1点リードで折り返したハーフタイム。控室に向かう階段で相手DFマイコンから「ウチダ!」と声を掛けられた。ユニホーム交換を要求され「“俺っ?”と思った。“今?”って聞いたら“イマ”って言われて」と、その場で交換。世界最高のサイドバックとの呼び声高いブラジル代表から認められた。さらにはエトオからも「Good job」と声をかけられ、鹿島の先輩でもあるインテルのレオナルド監督からも会見後に「ガンバッテ!」と激励された。夢のような出来事の連続に内田は「こういう環境でやれているのは刺激が強くて楽しい」と振り返った。

 クラブ側からの評価も急上昇している。7月の南米選手権に出場する日本代表の招集リストに入っているが、シャルケのヘルトGMは「7月はシーズン前の大事な時期で招集に応じるのは難しい」と難色を示している。招集は今後の交渉次第となるが、内田がチームに欠かせない戦力であることの証だった。

 準決勝ではマンチェスターUと対戦する。「やるからには楽しみたい。きついし、走らないといけないし、大変ですけど、楽しめたらいい」。頂点まで、あと2つ。欧州王者としてクラブW杯出場権を獲得して、日本に凱旋することも夢物語ではなくなってきた。(ゲルゼンキルヘン・三村 祐輔通信員)

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