キタサンブラック支えた黒岩騎手 暗黒時代脱出だ

[ 2021年9月17日 05:30 ]

キタサンブラックの引退式に出席した(左から)武豊、北村宏、黒岩(撮影・平松さとし)
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 【競馬人生劇場・平松さとし】今週末、中山競馬場ではセントライト記念(G2)が行われる。

 2015年にこのレースを勝ったのがキタサンブラックだ。北島三郎オーナー所有の同馬は続く菊花賞(G1)で自身初のG1制覇。その後、春秋天皇賞(G1)やジャパンC(G1)も優勝。17年に有馬記念(G1)を制して引退するまでにG1を7勝。ラストラン直後には引退式が行われ、その場には3人の騎手が立ち会った。主戦として6つのG1勝利時にタッグを組んだ武豊騎手。そして、初G1制覇となった菊花賞でコンビを組んだ北村宏司騎手。最後の1人は黒岩悠騎手だった。

 黒岩騎手は実戦でキタサンブラックに騎乗したことはなかった。それどころか長らく勝てなかった時期すらある騎手だった。デビューは2002年。2年目には17勝を挙げ、3年目も好ダッシュをした。波に乗ったかと思われたがそこで落馬をして骨盤骨折。長期休養から復帰後にすぐまた骨折をすると、戻ってきた時には減量の特典がなくなっていた。その後は年間いくつも勝てない時期が続いた。2年連続で未勝利に終わってしまうつらい時期も経験した(09、10年)。

 しかし、その馬乗りとしての技術を高く買っていたのが清水久詞調教師だった。同師はキタサンブラックの調教に黒岩騎手を乗せ続けた。そして、同馬の引退式の際、言った。

 「ブラックがこれだけ活躍できたのは黒岩君が丁寧に乗って馬を成長させてくれたお陰です」

 縁の下の力持ちとして認められたのはうれしかったが「騎手として成功したい」という気持ちの火は燃え続けていた。昨年も未勝利に終わったが「一所懸命頑張っていればいつか良い馬に巡り合える」と信じ続けた。すると今年に入ってサトノファイターで障害の未勝利、オープンを連勝。今週末には阪神ジャンプS(J・G3)に挑む。

 「引退を考えたこともあるけど、真面目にやってきて良かったです」と本人。デビュー20年目の今年、大輪の花が咲くか。応援しよう!(フリーライター)

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