【有馬記念】アーモンド“令和の伝説”になる!ルメール「家族」と3勝目へ自信

[ 2019年12月16日 05:30 ]

<有馬記念>調教を終えたアーモンドアイは厩舎で顔を拭いてもらう(撮影・西川祐介)
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 さあ、グランプリウイークの幕開けだ。いよいよ今週末に迫った「第64回有馬記念」(22日、中山)。令和改元を祝福するかのように今年は11頭のG1ホースが集結する豪華メンバーとなった。中でも注目は国内外でG1・6勝を誇る現役最強馬アーモンドアイ(牝4=国枝)。熱発で香港遠征を中止しての電撃参戦。主戦を務めるクリストフ・ルメール騎手(40)の心境に迫った。 有馬記念

 熱発で香港遠征を中止し、急転直下のグランプリ参戦となったアーモンドアイ。状態は?11日の1週前追いに騎乗し感触を確かめたルメールは、不安視する外野の声を穏やかな口調で一蹴した。「熱の影響はない。グッドコンディション。何か変化を感じるようなら困るが、何も変わっていない。いつものアーモンドアイ。それが一番大事なこと」。そしてこう付け加えた。「国枝先生は馬のことを分かっている。もし問題があれば使わないし、追い切りもしませんよ」

 ルメールにとっても有馬記念は特別なレースだ。初騎乗の05年、ハーツクライで当時の最強馬ディープインパクトを撃破する大金星を挙げた。「日本で初めて勝ったG1だから、とても思い入れがあります」。通算成績は【2・4・0・6】。「サトノダイヤモンドでも勝たせてもらったし、オーシャンブルーなど人気薄でも2着といい結果を残せた。僕にとってのラッキーレース」と語る。
 そしてグランプリの持つ意味合いも十分理解している。「日本の競馬にとって大事なG1。一年の最後にファンが出走馬を決めて、大勢のお客さんが競馬場に見に来る。僕にとってもファンにとってもスペシャルなレース。そういう舞台で注目される馬に騎乗できるのは、とてもうれしいことです」

 馬にとって初めての中山2500メートルとなる点にも不安はない。「スタミナが要求されるコースですが何も心配ない。昨年のジャパンCはレコードが出る速いペースで先行して、最後も全く止まっていない。スタミナがなければあんなレースはできません」ときっぱり。レースプランについても「スローならスタンド前で前のポジションを取りに行ける。外枠だったり流れが速ければ向正面で上がって行けばいい。どんなレースでもできる」。愛馬のポテンシャルへの信頼は揺るぎない。

 ルメールにとってアーモンドアイとはどんな存在なのか。「ガールフレンドかな」。そうつぶやいてから少し考えて言い直した。「いや、やはり家族ですね。僕は普段、家では競馬の話はしないが、アーモンドアイの話はする。妻(バーバラ夫人)も子供たちもこの馬が大好きで、いろんなことを聞いてくる。そういう意味も含めて家族の一員だと思います」。特別な馬で臨む特別な一戦。ルメールにとっても、ファンにとってもスペシャルな1週間が始まった。

 ◆クリストフ・ルメール 1979年5月20日生まれ、フランス出身の40歳。父パトリスは障害の名手。99年に母国でデビュー。03年パリ大賞でG1初制覇。02年から短期免許で来日し、05年有馬記念をハーツクライで制しJRA・G1(重賞)初V。15年にJRA騎手免許取得。昨年、215勝を挙げJRA年間最多勝記録を更新。今年の天皇賞・春をフィエールマンで制し史上3人目の8大競走完全制覇を達成。JRA通算5532戦1115勝。重賞89勝、G1・27勝。

 ≪アーモンドアイ伝説アラカルト≫▽賞金王へ 今年の獲得賞金(本賞金+付加賞)は1億8188万8000円。有馬記念を勝って1着賞金3億円を獲得すれば昨年(7億1242万3000円)に続くJRA年間最多獲得賞金馬に輝く。

 ▽歴代4位へ 今年のドバイターフを含めた総獲得賞金は12億9781万1900円。有馬を勝てばキタサンブラック(18億7684万3000円)、テイエムオペラオー(18億3518万9000円)、ジェンティルドンナ(17億2603万400円)に次ぐ歴代4位に。

 ▽史上10頭目 勝てばJRA・G1・6勝目。84年以降、7勝が5頭(シンボリルドルフ、テイエムオペラオー、ディープインパクト、ウオッカ、キタサンブラック)、6勝が4頭(ブエナビスタ、オルフェーヴル、ジェンティルドンナ、ゴールドシップ)。史上10頭目のJRA・G1・6勝馬となる。

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