通算にカウントされない菜七子“初勝利” 昨年引退アスキーコードは元気です

[ 2019年12月16日 05:30 ]

16年3月24日、アスキーコードで“初勝利”の菜七子
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 【静岡「天城ホースビレッジ」で余生】16年3月24日。菜七子は浦和競馬3R(ダート1400メートル)をアスキーコードで逃げ切って、デビューから中央、地方合わせ36戦目で初勝利。地方の平場レースのため、通算勝利数にはカウントされないが、これがシンデレラストーリーの始まりだった。

 そのアスキーコードは昨年3月にひっそりと引退。8歳(セン)になった現在、静岡県河津町にある乗馬クラブ「天城ホースビレッジ」で余生を送っている。同クラブの鈴木拓郎代表(44)は「見ての通り元気いっぱい。人懐っこい馬ですよ。競馬に興味があるお客さんには“実はこの馬…”と伝えることもありますし、中には藤田菜七子騎手が初勝利を挙げた馬だと知った上で来てくださる方もいます」と話す。

 また、半自馬(乗馬クラブと預託料などを折半)で同馬を所有する会社員の大西佐和子さん(44)は「最初、この子があのアスキーコードだと知ってびっくり。藤田菜七子さんの初勝利のゼッケンが盗まれたニュースでも聞いたことがあったので。“あの馬だ”ということが(所有する)決断を後押しした部分もあったと思います」と振り返る。

 アスキーは今も元気に走っており、今後は乗馬競技会への出場も視野に入る。鈴木代表は「乗馬としても優秀で、初心者の方に付き合える優しさ、根気強さを持ちつつ、経験者相手でも応える能力、バネがあります」と目を細めた。

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2019年12月16日のニュース