【フェアリーS】フィリア、末脚爆発で重賞初V

[ 2019年1月13日 05:30 ]

フェアリーSを制した丸山元気騎手の乗るフィリアプーラ(撮影・西川祐介)
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 菊沢厩舎にまた牝馬の逸材が現れた。12日の中山メイン「第35回フェアリーS」は3番人気フィリアプーラが鋭い切れ味を披露して重賞初V。G1馬アエロリットを管理する菊沢隆徳師(48)が、そのアエロリットで2着に敗れた因縁のレースで、偉大な先輩超えを予感させる末脚を披露した。

 検量室前に戻ってきたフィリアプーラを笑顔で迎える菊沢師。喜びの中にホッとしたような表情が印象的だ。「フェアリーSは惜敗が続いていたのでね」。12年ダイワミストレス(3着)、13年ウキヨノカゼ(2着)、16年ダイワダッチェス(3着)、17年アエロリット(2着)。偉大な先輩たちが敗れたG3を切れ切れの末脚でもぎ取った。

 道中は中団後方。抜群のスタートを切ったが「リズム良く運んで、あの位置だった。前半はいい感じで折り合っていた」と丸山。4角で強引に外へ出すと、ここからが真骨頂。上がり3F34秒5の決め手で一気に突き抜けた。これが今年初勝利となった丸山は「まだ精神的に安定しないが競馬にいくと乗りやすい。しまいも使ってくれる」と納得の表情だった。

 昨年12月22日の未勝利V以来の一戦と間隔は詰まっていた。師は「あまり調整しないように、(調子を)維持するようにした。まだ冬毛もモサモサ。暖かくなってからと思っていたが…」。素質で圧倒した内容に脱帽だ。米国遠征(ペガサスワールドCターフ=26日)を控えるアエロリットとの比較を求められると「タイプが全然違うので比べられないよ。でも、この脚を生かしたいね」とうれしそうに答えた。今後は放牧に出され、次走は未定。“牝馬の菊沢師”が手掛ける素質馬が春の主役に立候補だ。

 ◆フィリアプーラ 父ハービンジャー 母プリンセスカメリア(母の父サンデーサイレンス)牝3歳 美浦・菊沢厩舎所属 馬主・キャロットファーム 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績3戦2勝 総獲得賞金4237万4000円。

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