【名古屋ダービー】“努力の男”山田、涙なしラストラン

[ 2014年3月22日 05:30 ]

中部地区の選手仲間とともにファンに応える山田裕仁

 一時代を築いた男がバンクを去った。グランプリV3、G1・6回制覇など一線級で活躍を続けた山田裕仁(45=岐阜)が21日、名古屋1R(5着)でラストランを終えた。レースへの出場は最後となったが、選手手帳は返さず、今後は裏方として競輪界のために活動していく見通し。場内からは、その活躍を称える大きな拍手が起こった。

 午前10時40分、1Rの号砲。場内は異様な雰囲気に包まれた。周回中、「山田!!」の声が何度も飛ぶ。最終バック。山田が内に包まれて後退すると悲鳴が起こった。5着。一瞬の静寂の後、大きな拍手が起こった。場内に2度、頭を下げた山田。検車場では後輩から多くの花束が。照れくさそうな表情で受け取った。

 8R終了後の会見。涙はなく終始、冷静だった。「(現役生活は)苦しいことしかなくて。この苦しさから逃れられると思えば、うれしさの方が大きい。だから涙は出なかった」。努力の男らしいコメントだった。

 「今後は白紙です」と話すが、競輪界に対して誰にも負けない熱意を持っている。「SS11」問題が起こり、揺らぎかけているこの業界。もうレースを走ることはないが、選手手帳は返さず、選手会の内部から競輪の発展に尽くそうという思いを抱いている。打倒神山雄一郎、吉岡稔真氏(スポニチ本紙評論家)に全てを懸けてきた男の心の炎は消えない。最後まで熱い競輪愛を胸にバンクを去る。

 ▼スポニチ本紙評論家・井上茂徳氏 屈指のスピードを持つ選手だった。地区は違っても信頼関係で結ばれていた。彼の努力には頭が下がる。

 ▼スポニチ本紙評論家・吉岡稔真氏 山田さん、神山さんら先輩に引っ張られて自分も頑張ることができた。

 ▼JRA・矢作芳人師 彼は競馬界にいたら名調教師になったであろうクレバーな頭脳を持つ。そのマルチな才能を生かして競輪界のために頑張ってもらいたい。

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