365日 あの頃ヒット曲ランキング 8月

【1996年8月】熱くなれ/迫力満点、パワー全開 大黒摩季で日本中がアツくなった!

[ 2011年8月3日 06:00 ]

07年2月、世界ノルディック開会式で熱唱する大黒摩季
Photo By スポニチ

 ★96年8月ランキング★
1 熱くなれ/大黒摩季
2 マシンガンをぶっ放せ/Mr.Children
3 BELOVED/GLAY
4 青いイナズマ/SMAP
5 Another Orion/藤井フミヤ
6 涙の影/シャ乱Q
7 アジアの純真/Puffy
8 まちぶせ/荒井由実
9 田園/玉置浩二
10 SPARK/THE YELLOW MONKEY
注目BODY&SOUL/SPEED
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【熱くなれ/大黒摩季】

 「初めて自分で自分を褒めたいと思う」。女子マラソンの有森裕子が、バルセロナ五輪の銀メダルに続いて、銅メダルを獲得するなど、猛暑の夏をさらにアツくしたアトランタ五輪。連日の激闘を伝える、NHKの中継の中で連日流れたのがテーマソングの「熱くなれ」。迫力満点、パワー全開の大黒摩季が歌うアップテンポの曲は、日本中に浸透。CDシングル83万枚を売り上げ、95年2月リリースの「ら・ら・ら」以来、自身3曲目のオリコンチャート1位となった。

 2月にNHKからオファーがあり、大黒は「ぜひやりたい」と快諾。歌詞の内容は、ストレートにスポーツ選手を応援しているというよりは、熱い思いを内に秘めた女性の恋愛ソングだったが、何かを突き破るようなパンチ力はさすが。競技の映像がオーバーラップして流れると、視聴者からの反応は急上昇。五輪が佳境に入った7月22日付のチャートで2位に立つと、五輪終了後の8月12日付ではとうとう1位に。五輪のハイライト特集などで頻繁に流れたことから、その余韻に浸ってのトップ獲得だった。

 話題となったのは、滅多にマスコミの前に姿を見せない大黒がテーマソングが決まった際に、異例のビデオレターに登場、五輪ソングに懸ける意気込みなどを語ったことだった。当時、「大黒摩季は実在しない」「3人いてそれぞれ役割がある」などの“都市伝説”がまことしやかにささやかれていた時期。ビデオレターとはいえ、肉声を聞くことができる、というのはそれだけで大きな二ュースだった。

 「世界的なスポーツイベントに音楽という立場で参加できる喜びが大きく、選手と同じ気持ちで頑張ろうと思う」と述べた大黒。選手にもひと言付け加え「周りからいろいろ言われても、この曲を思い出して頑張ってほしい」と、気持ちを鼓舞するような曲になることを約束した。

 これを機に五輪と大黒との関係は深まった。04年のアテネ五輪に出場した、女子ホッケーチームの公式応援ソングを歌い、アテネに続き北京五輪でも現地に応援にまで出かけた。

 北京五輪の前には女子ホッケーだけでなく、出場する全選手に向けての応援歌をテーマにしたアルバム「POSITIVE SPIRAL」をリリース。「ネガティブをポジティブに変えるという前向きなメッセージを伝えたかった」と、デビュー以来の姿勢そのままに表現した。

 2011年は病気療養中。来年はロンドン五輪。大黒の再登場を期待しているのはファンばかりでなく、出場選手の中にも多いはずだ。

続きを表示

バックナンバー

もっと見る