365日 あの頃ヒット曲ランキング 8月

【1977年8月】渚のシンドバッド/日本中を席巻したピンク・レディー 4作目でミリオン

[ 2011年8月16日 06:00 ]

 ★77年8月ランキング★
1 渚のシンドバッド/ピンク・レディー
2 勝手にしやがれ/沢田研二
3 イミテーション・ゴールド/山口百恵
4 季節風/野口五郎
5 暑中お見舞い申し上げます/キャンディーズ
6 熱帯魚/岩崎宏美
7 洪水の前/郷ひろみ
8 星の砂/小柳ルミ子
9 センチメンタルカーニバル/あおい輝彦
10 だけど…/高田みづえ
注目はーばーらいと/水谷豊
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【渚のシンドバッド/ピンク・レディー】

 77、78年の2年間、テレビでピンク・レディーを見ない日はないと言っても過言ではなかった。76年8月、「ペッパー警部」でデビュー以来、話題にはなっていたが、実質的なブレークは77年から。4枚目のシングル「渚のシンドバッド」は夏の音楽シーンを席巻、ピンク・レディーにとって初のミリオンセラー、100万枚を売り上げた。

 阿久悠の独特なフレーズを駆使した歌詞、都倉俊一のディスコサウンドを採り入れた覚えやすいメロディー、振付師の土居甫による個性的でちょっと“エッチ”な振り付けの三位一体の作品はどれもヒットありきの思想で編み出されたものだったが、とりわけ「渚の…」は秀逸な1曲。出だしの「アアアアッ アアアアッ」で引き付け、間奏でミーとケイの2人がバランスを保つように左右にケンケンする振り付けは子どもたちが真似するのに格好のものだった。

 このころのピンク・レディーは「いつ寝て、いつ食べているのか、いくら稼いでいるのか」ということがしばしば人々の関心の的となった。2人が当時語ったところによると、睡眠は3、4時間程度で、食事は1日2回。夜、それも深夜に比較的ボリュームのあるものを食べて、昼間は午後の移動中に車の中でパンと牛乳のパターンが多かったとか。夜にステーキなどを食べても、若いしあれだけ動けばエネルギーも消費されて太らなかったのだろう。とにかく相当不規則な生活をしていたことは間違いなく、取材を申し込んでもインタビューなら5分。グラビアなら10分がいいところ。あまりの忙しさに、後に2人は「どんな仕事をしたのかほとんど覚えていない」と話している。

 気になるギャラだが、デビューから77年末までの約1年半のレコードやカセットテープ、グッズの売り上げだけで57億円をはじき出したが、当の2人は月給制で手取り月30万円程度。そこから寮費などを差し引かれていた。

 翌78年には「UFO」、「サウスポー」など大ヒット曲を連発。日本中がピンク一一色に染まった。

続きを表示

バックナンバー

もっと見る