365日 あの頃ヒット曲ランキング 8月

【1993年8月】ポケベルが鳴らなくて/秋元康のお墨付き 時代に乗ってヒット

[ 2011年8月29日 06:00 ]

 ★93年8月ランキング★
1 真夏の夜の夢/松任谷由実
2 エロティカ・セブン/サザンオールスターズ
3 夏の日の1993/class
4 Make―up Shadow/井上陽水
5 島唄/THE BOOM
6 Harlem Night/大黒摩季
7 ポケベルが鳴らなくて/国武万里
8 翼を広げて/DEEN
9 EYES LOVE YOU/hide
10 君が好きだから/観月ありさ
注目オラはにんきもの/のはらしんのすけ
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【ポケベルが鳴らなくて/国武万里】

 時代を感じさせるタイトルである。

 日本テレビの連続ドラマ「ポケベルが鳴らなくて」と同名の主題歌は、不倫をテーマにしたドラマの話題と相まってヒット。デビュー2曲目の国武万里の名前も一躍知れ渡るようになった。

 神戸出身。地元のライブハウスでジャズを歌う美人として知る人ぞ知るといった存在だったが、一時レースクイーンをしていたという過去が写真週刊誌に出たりもした。

 歌手としての大きな転機は、ヒットメーカー秋元康の目に留まったことだった。「ポケベル…」が売れる直前の5月、大学の学園祭実行委員の学生らを集めてミニライブを行った。出席した秋元が「彼女の魅力は、いまだにその良さがつかみきれないところ」と、未知の才能があることを公言。自ら作詞、作曲に「おニャン子クラブ」の各曲で秋元とコンビの後藤次利が加わることで「ポケベル…」のヒットはある程度予測できた。

 ポケベルが不倫相手とのコミュニケーション手段で、これが鳴らないと逢えない、という女性の切ない気持ちを歌った曲は、「暗い」という評価もありながら、この気持ちを分かるのもまた女性。ドラマ視聴率はあまり伸びなかったが、曲の方は順調に70万枚をセールスした。

 ただ、この一発は印象が強すぎた。その後も5枚のシングルをリリースし、名前も万里から「まり」にしたりと、いろいろやってみたが、「ポケベル…」ほどのインパクトはなく。97年から3年間充電期間に。00年に衝撃のヌード写真集で脚光を浴びたこともあった。時代はもうポケベルを使っている人がほとんどいなくなっていた。

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