365日 あの頃ヒット曲ランキング 8月

【1980年8月】別れても好きな人/シルヴィア 半年、1曲だけという約束が…

[ 2011年8月14日 06:00 ]

「別れても好きな人」が大ヒットしたロス・インディオス&シルヴィア。前列左がリーダーの棚橋静雄、中央がシルヴィア
Photo By スポニチ

 ★80年8月ランキング★
1 ダンシング・オールナイト/もんた&ブラザーズ
2 順子/長渕剛
3 防人の詩/さだまさし
4 哀愁でいと/田原俊彦
5 別れても好きな人/ロス・インディオス&シルヴィア
6 狂った果実/アリス
7 恋の綱わたり/中村晃子
8 雨の慕情/八代亜紀
9 青い珊瑚礁/松田聖子
10 How manyいい顔/郷ひろみ
注目いまのキミはピカピカに光って/斉藤哲夫
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【別れても好きな人/ロス・インディオス&シルヴィア】

 半年、それも1曲だけという約束だった。

 発売から約1年。カラオケブームに乗って、有線放送からジワジワと火がつき、夏場にヒットチャート上位に顔を出した「別れても好きな人」。ムード歌謡コーラスの典型のような、ひと昔前の雰囲気が漂う歌が77万枚のレコード売り上げを記録する大ヒットになったのは、グループの紅一点、シルヴィアの存在が大きかった。

 「別れても…」はこの4年前に一度発売されていた。が、全く売れずに失敗作のレッテルを貼られた。しかし、リーダーの棚橋静雄は、この曲に惚れ込み、なんとか陽の目を見させたいと常々思っていた。

 目をつけたのはカラオケだった。男女でデュエットできる曲が少なく、いまだに「銀座の恋の物語」や「東京ナイトクラブ」などを歌っている人が多かったことから、男女が気軽に歌えるなら、ヒットすると考え、男性だけのロス・インディオスに女性メンバーを迎えることになった。

 オーディションの結果、選ばれたのがシルヴィアだった。高校時代はバレーボールのセッターとして活躍したが、卒業後は歌の道へ。歌手の佐川満男が経営する店で歌っていたところ、ロス・インディオスに紹介され、ナマ歌も合格。最終的な決め手はその身長。「メンバーの平均身長が1メートル65。シルヴィアもちょうどそれくらい。そろっている方が見栄えがいいと思って」(棚橋)。

 しかし、シルヴィアはポップス志向。しかも、最大で20歳、一番年齢が近いメンバーでも8歳も年の差がある、おじさんグループに入るのは気が引けた。それで条件として、期間は半年、「別れても…」1曲だけという約束で加入した。

 ところが、契約が終わる頃にはヒットチャート急上昇中。そのうちテレビからお声がかかり、TBS「ザ・ベストテン」にまで登場。抜けるどころか、紅白歌合戦にまで出場が決定。半年の約束は1983年まで3年にまで“延長”することになった。

続きを表示

バックナンバー

もっと見る