365日 あの頃ヒット曲ランキング 3月
【1979年3月】HERO ヒーローになる時、それは今/甲斐バンド ペストンで熱唱!
★79年3月ランキング★
1 HERO(ヒーローになる時、それは今)/甲斐バンド
2 YOUNG MAN(Y・M・C・A)/西城秀樹
3 カサブランカ・ダンディ/沢田研二
4 モンキー・マジック/ゴダイゴ
5 美・サイレント/山口百恵
6 チャンピオン/アリス
7 ジパング/ピンク・レディー
8 夢追い酒/渥美二郎
9 ガンダーラ/ゴダイゴ
10 北国の春/千昌夫
注目君は薔薇り美しい/布施明
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。
【HERO ヒーローになる時、それは今/甲斐バンド】
1979年3月15日、TBS「ザ・ベストテン」の視聴率は30%を超えた。
1位が沢田研二の「カサブランカダンディー」から西城秀樹の「YOUNG MAN」に代わったからではではない。テレビの生出演に難色を示していた甲斐バンドが3位にランクインした「HERO ヒーローになる時、それは今」をナマで歌ったからだった。
スタジオライブからの中継ながら、車座に座ったファンの前で熱唱。「きょうはTBSのヤツらがきているけどよぉ」と言葉遣いは悪かったが、歌いだすとその迫力は圧巻。「朝から何時間もリハーサルして、たった1曲歌って“ハイ、お疲れさん”というテレビで歌って、オレたちの何が分かるんだ」と主張し続けてきたが、この1曲だけでも、触ると火傷しそうな熱さがあることは、初めてテレビを通して甲斐バンドを知った人にも十分伝わった。
計72万枚のレコード売り上げを記録した、ヒット曲の実質的お披露目は華々しかった。
78年12月31日から79年1月1日に変わった瞬間だった。民放各局は一斉に同じCMを流した。ややしゃがれた声のリードボーカル、甲斐よしひろが「HERO ヒーローになる時、アハーそれは今…」とゾクッとするようなフレーズをシャウトした。デビュー2年目からテレビ出演をせず、年間100本のステージをこなし続けてきたライブにこだわるバンドが新年早々、時計の「SEIKO」のCMを通して、あけましておめでとう代わりに強烈なインパクトのあいさつを全国に届けた。
このCMの反響は大きかった。正月からテレビ局をはじめ、SEIKO本社の電話は鳴りっ放し。歌謡曲、演歌、時々ニューミュージックの歌手がテレビの歌番組に出演する主流とすれば、ロックバンドはまだ正当に評価されてはいない時代。それでもリスナーの感度は敏感。サビを聞いただけで、魂を揺さぶられた。
ロックをやっていると、人生斜に構えて、冷めたようなイメージが付き物だが、甲斐が伝えたかったメッセージは希望、勇気、そして愛。誰もが大切だと分かっていても、大声で言えなくなってしまったものを“ヒーロー”という言葉に乗せた。
甲斐は当時のインタビューでこう言っていた。「甘酸っぱい思いでも、悲しくて泣いてしまうような歌でもいい。けれどいつまでも泣き濡れていてはダメ。人間生きていかなくちゃいけないんだから、そしたら明日をみつめるべき。チャンピオンになれるヤツは限られているけど、ヒーローにだったらそれぞれなる瞬間がある」。
もうすぐ還暦を迎える甲斐。いまでも現役ロッカーである。
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